◇注目度高まり吉兆--桑島昭文さん(45)
「県が中期総合計画で掲げる人口10万人あたりの医師数200人をまずクリアしたい」。組織改編を前倒し2月に発足した県医師確保対策室。室長として飛び回り、医師確保に奮闘する。「実際に病院に行き、先生たちに会うことで、しっかりとしたイメージが生まれる。現場の事情を反映させて、うまくコーディネートしていきたい」と意気込みを語る。
県内の医師不足は深刻だ。人口10万人あたりの医療施設従事医師数は全国平均を下回る190人。医師不足から各地の病院で診療科の休廃止が続出。分娩(ぶんべん)を取り扱う産科施設は01年の68施設から、08年2月現在で47施設にまで減った。
「大学の医局から医師が減り、地域の病院から医師を引き揚げなければならないような『負のスパイラル』が起きている。医師不足は産科や小児科、麻酔科などで特に深刻」と現状を分析。「女性医師が増えており、子育てによるブランクをカバーできるシステムが必要だ」と訴える。
発足し半月がたち、県民の注目度も高まっている。「情報も出てきて、いい兆しが見えてきている。医師が確保できるよう、『やせる思い』で努力していきたい」と笑顔を見せた。【神崎修一】
毎日新聞 2008年2月23日