3助産所が嘱託医契約 産婦人科医会の仲介 宮城

 改正医療法で有床助産所に確保が義務付けられた嘱託医と嘱託医療機関について、宮城県内でお産を扱う助産所3カ所の嘱託先が決まり、仙台市青葉区の県医師会館で23日、嘱託契約の締結式があった。日本産婦人科医会県支部が契約内容などを定め、嘱託先を仲介した。産科医の組織が助産所との協力に乗り出すのは、全国でも先進的な取り組みという。

 とも子助産院(泉区)と森のおひさま助産院(青葉区)は産婦人科麻酔科高橋医院(青葉区)の高橋真院長、結城産婦人科医院(青葉区)の結城道広院長の2人と契約。大崎市のははこっこ助産院は、市内のわんや産婦人科医院の太田司院長と嘱託医契約を結んだ。

 いずれの診療所も妊婦と新生児の入院設備を備えていることから、嘱託医療機関にもなった。年1回程度、県支部と助産所が情報交換する場を設けることも決まった。

 契約内容によると、助産所で分娩(ぶんべん)を希望する妊婦は、十数回の健診のうち一定数を嘱託医療機関で受ける。分娩時などに異常が起きた場合は、助産師から連絡を受けた嘱託医が搬送などの対応を判断する。

 昨年4月施行の改正医療法は出産の安全性向上を目的に、嘱託医を産科か産婦人科に限定し、産婦人科と小児科のある嘱託医療機関とともに確保するよう助産所に求めた。経過措置の期限は3月末で、確保できない助産所は4月以降お産を扱えなくなる。

 産科医不足などで、助産所が独自に嘱託先を探すのは全国的に難航しているのが実情。県支部は「助産所での出産を望む妊婦も守る必要がある」などの理由で、昨年10月から助産所側と連携について協議してきた。

 嘱託契約を受け、とも子助産院の伊藤朋子院長は「母親たちをようやく安心させられる。スタートラインに立った気持ちで、助産所の得意分野で頑張りたい」と述べた。
2008年02月24日日曜日

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