ロス疑惑報道の95％はウソだ！三浦和義氏(6)

【PJ　2005年10月13日】− ロス疑惑報道の95％はウソだ！三浦和義氏(5)からのつづき。

態度がふてぶてしいから、叩け！おもしろいから、ウソでも作れ！
大手テレビ局は番組出演料に2500万円提示。
報道被害の監視には、報道被害者の活用を！

　─異常なマスコミの「おっかけ」で受けた精神的な苦痛は。
　「家の関係でぼくは小さいころから、映画の撮影所に出入り可能で、石原裕次郎さんらを身近に見たりしていましたので、カメラやフラッシュはちっとも怖くないし、むしろ慣れています。それと、僕が過去を振り返って、くよくよするタイプの人間だったらとっくに自殺していたと思います。あのとき、日本の１億2000万人が三浦和義を殺人犯だと思っていたでしょうから。１億2000万人対１人。そういう時期が6年くらい続きましたね」

　─ロス疑惑で三浦さんがこれほど槍玉に上げられた理由は。
　「昔からのマスコミ関係者の友人から聞いたのですが、『マスコミから三浦さんを見ると、三浦の態度はふてぶてしい。何を言われても恐れない。そういう部分があること無いことを余計に掻き立てられたような気がする』と言っていました」

　─ロス疑惑報道での取材とお金の関係は。
　「マスコミ側でもウソをついたということは承知しているのです。ぼくがお酒を飲まないのを知りながら『銀座のクラブのホステスを連れて歩いている』といったような話を平気で作る。『どうしてウソだとわかっていて書くのか』と、だいぶ時間が経ってから記者のひとりに尋ねると、『おもしろければ、ウソでも作れと言われていた』との返答でした」

　「今回の報道は万事がこんな具合で札束が乱れ飛んでいました。他社より視聴率や売り上げ部数が上がるものを作り上げることで、『現金で50万円もらった、100万円もらった』という人間を20人以上知っていますよ」

　─テレビ局からの出演交渉は。
　「ぼくのところにも大手テレビ局のディレクターが来て『１時間番組に出演してください。領収書は要りません』いくら現金で積んだと思います。2000万円です。１市民に対して2000万円払うのはおかしくありませんか。『ぼくはそんな有名人でもないのに。どうして2000万円も払ってまでも出演を依頼するのですか』と問うと『三浦さんは時の人ですから、2000万円の価値がありますから』『お断りします』と言って、引き取ってもらいました」

　「30分ほどして同じ担当者が帰ってきて、『もう一度お伺いします。局長の了解を得て、2500万円持って来ました』『あなた、頭がおかしいじゃありませんか』とぼくはお金の額で駆け引きしているのと思われたのが腹だたしく、『話にならないのでお帰りください』と再度言いました」

　─他局からの出演交渉はあったか。
　「ぼくが逮捕され良枝が記者会見をやるときに、ＴＢＳとテレビ朝日の両方から『是非うちの局で記者会見をやってほしい』と両方から交渉が入り、引っ張り合いになりました」

　─検察に対して何か。
　「ロス郊外での銃撃事件の現場で、犯人を目撃したという人がいるという重要な情報が入り、弁護士がロスまで調書を取りに向かいました。驚くことに検察側は同じ犯行目撃者からすでに15年ほど前に調書を取っていたのです。最初、担当検事はそのことを法廷で否定しました」

　「問い詰め続けて最後にわかったことは、その担当検事本人が調書を取っていたのです。弁護団は怒りをあらわにして理由を問いただすと『その目撃者の証言は信用できなかった』と苦しい言い逃れをしました」

　─裁判所に対して何か。
　「１審の審理中、直接の重要証拠を提出せず、状況証拠を次々と並べる検察官に打ち切る旨を告げた裁判官が突然、転任になりました。代わりにきた担当裁判官は千葉地裁の所長の方でした。僕にとって、きわめて非論理的なことなことは、その裁判官が東京地裁の平部長に格下げで移ってきたこと、そして判決を渡してから２カ月、その他の裁判には何ひとつかかわらずに退官しているのです」

　─報道被害を防ぐには。
　「雑誌委員会や監視委員会に報道被害者を加えることです。現状のままでは、同じようなことがいくらでも起こります。また、マスコミは警察発表を鵜呑みにし、チェック機能を持たないのは最大の欠点です。自分に甘く、他者に厳しい体質を変えることと新人社員の記者教育も重要でしょう」【了】

（今回でこの特集を終了します。ありがとうございました）

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パブリック・ジャーナリスト　（ＰＪ）コーディネーター　佐藤学【 東京都 】
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