【ワシントン=渡辺浩生】米マイクロソフト(MS)による買収提案を拒否している米インターネットサービス大手ヤフーの株主である年金基金2団体が、ヤフーと同社の取締役会を相手取って訴訟を起こしたことが22日分かった。他社との提携を含めた対抗策を模索するヤフーから株主の離反が相次げば、MSによる取締役追放を狙った「委任状争奪戦」も現実味を帯びそうだ。
訴えたのはミシガン州デトロイトの警察・消防職員向けと自治体職員向けの年金基金。ロイター通信によると、ヤフーがMSの提案を拒否し、代替案を検討していることを「株主利益にならない」と追及している。
ヤフーは今月、1株当たり31ドルというMSの買収提案を「過小評価している」と拒否し、これに対抗して米ニューズ・コーポレーションとの事業統合などを検討しているとされる。MSは買収価格の引き上げに応じる気配はなく、「(買収に)必要なあらゆる手段をとる」として、他の株主の賛同を得て取締役の交代を迫る委任状争奪戦の準備を進めている。
一方、MS幹部は22日、社員向けのメールを通じ、ヤフー買収に成功した場合でも、大規模な人員削減の予定はないと表明。「ビジネス機会は多く、優秀な人材を必要としている」と重複部門もリストラしない考えを示し、両社の社員の不安解消を目指している。
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