体験飛行でドクターヘリに乗り込む熊本大付属病院のスタッフたち

体験飛行でドクターヘリに乗り込む熊本大付属病院のスタッフたち

 医師を乗せ事故現場などに直行し、搬送中も救命活動が可能なドクターヘリの導入を県に求める「県ドクターヘリ導入推進協議会」(発起人代表=木下順弘・熊本大付属病院高次救急集中治療部長)の発起会が23日、熊本市本荘一丁目の同病院であった。

 発起会に先立ち、同病院の救急医療に携わる看護師らを対象にした体験飛行があった。体験飛行は午前11時から3回実施、同病院屋上のヘリポートを飛び立ち、1回約10分飛行した。1回に5人前後のスタッフが乗り込んだ。

 ドクターヘリが導入されれば、熊本市から天草市牛深町まで救急車で2時間半かかるところを20分で移動できる。救命専門の医師と看護師が同乗し、積載している医療器具で病院に向かう間も治療できるので救命率が向上する。九州では福岡、長崎両県で導入されている。

 発起会では記念講演などがあった。同協議会の高山一美雑誌・広報委員長は「導入が1日遅れることで失われる命がある。県に1日も早い導入を求めたい」と話している。

 ドクターヘリではないが、県は消防防災ヘリ「ひばり」を導入し、救急患者搬送も行っている。しかし同協議会によると、火災消火などの出動もあり、搬送要請を受けても搬送できないケースが昨年二十数件あったという。

=2008/02/24付 西日本新聞朝刊=