イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の原因究明は23日までに、あたご乗組員による清徳丸発見の遅れに加え、その後の操船担当隊員への伝達も機能していなかった「多重ミス」の疑いが核心として浮上してきた。
海上自衛隊側の説明には漁船員の証言と矛盾する部分もあり、約20年前の「なだしお」事故のような事実隠しが行われているのではないかとの疑念もくすぶっている。
防衛省の説明では、あたご側が清徳丸の灯火を視認したのは19日午前3時55分。衝突12分前で、この時なぜ回避措置をとらなかったかというのが第1の問題点。
漁船発見自体、遅すぎるのではないかというのが第2の問題点だ。漁船のレーダーには衝突の約35分前にあたごが映っていたことが分かっている。「あたごはレーダー監視をしていなかったのではないか」と、清徳丸が所属する新勝浦市漁協は非難する。