./ オーストリア ;ヽ l _,,,,,,,,_,;;;;i いいぞ ベイべー! l l''|~___;;、_y__ lミ;l ゙l;| | `'",;_,i`'"|;i | 逃げるセルビア人はテロリストだ!! ,r''i ヽ, '~rーj`c=/ 逃げないセルビア人はよく訓練されたテロリストだ!! ,/ ヽ ヽ`ー"/:: `ヽ / ゙ヽ  ̄、::::: ゙l, ほんと、バルカン半島は地獄だぜ、フゥハハハーハァー |;/"⌒ヽ, \ ヽ: _l_ ri ri l l ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / | ゙l゙l, l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l | ヽ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ /"ヽ 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`" / ヽ ー──''''''""(;;) `゙,j" | | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / / |
… 1914年、6月28日 …
列強オーストリア帝国の皇太子、フランツ・フェルディナント大公が、サラエヴォで暗殺された。
(サラエヴォ…現在はボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都だが、当時はオーストリア帝国の領土である)
当時のバルカン半島
このテロを起こしたのはセルビア人の民族主義者である…
オーストリア
セルビア君、よくも我が国の皇太子を暗殺してくれたな!
この卑劣なテロの代償はきっちり払ってもらうから、覚悟したまえ。
セルビア
勘弁してーな、ワイは関係あれへん。
頭のイカれたテロリストが、勝手にハジいただけや!
ドイツ
オーストリアは、毅然とした態度を取るべきよ!
ドイツは同盟国として無条件に応援してあげるわよ〜♪
もしもセルビアの親分のロシアが出てきたら、私が何とかしてあげるわ。
空爆の覚悟をしておけ!
石器時代に戻る覚悟もしておけ!
いやそれ、時代がちゃうから。
※「空爆の覚悟をしておけ。石器時代に戻る覚悟もしておけ」
米CBSテレビは21日、パキスタンのムシャラフ大統領が同テレビのインタビューで、知日派として知られるアーミテージ元国務副長官から2001年9月の米同時テロ発生後、対テロ戦争で米国に協力しない場合、空爆すると脅迫されたと述べたと報じた。
ムシャラフ大統領によると、アーミテージ氏は「空爆の覚悟をしておけ。石器時代に戻る覚悟もしておけ」と発言。この発言は情報機関の責任者から同大統領に伝えられた。
同大統領は「非常に無礼な発言」と思いながらも、国益のために行動する必要があると考え、国際テロ組織アルカイダをかくまっていたアフガニスタンのタリバン政権(当時)への支援をやめ、米国の対テロ戦にも協力した。
―― 2006/9/22 時事通信より
そもそも犯人はセルビア人や言うても、セルビア系のオーストリア人…つまりおたくの国民やで。
これ、どう見てもオーストリア国内の民族問題やないか。
なんでそれでワイが文句を言われるんや?
私を無能だとでも?
たしかに暗殺犯は「青年ボスニア党(ムラダ・ボスナ)」のメンバー…つまり我が国民だ。
だが、この一団はセルビア国内の秘密結社「黒手組」や、セルビア国内の合法組織「民族防衛団(ナロドナ・オドブラナ)」とつながりをもつ地下組織だ。
また犯人が所有していた爆弾はセルビア陸軍のものであり、犯行にはセルビア陸軍の高級将校が関与している。
煤i ゜Д ゜;)
黒手組…または『黒い手』『ブラックハンド』
正式名は 『統一か死か』
彼らはテロの実行犯に武器を供与し、またセルビア国内で訓練を施している。
それだけではない、我がオーストリア国内のセルビア系住民の不満分子に対して、武器を密輸するネットワークもある。
……( ゜Д ゜;)
反オーストリアを叫ぶセルビアの民族主義者が、我がオーストリア国内のセルビア系住民を扇動し、テロ支援をしているのは明らかだっ!
このテロ行為に対して、オーストリア国内では反セルビアの声が沸きあがった。
「セルビアの豚どもに死を!」
「ボスニア・ヘルツェゴビナ史」 ロバート・J・ドーニャ/ジョン・V・Aファイン p120
暗殺事件をきっかけにサラエヴォの市場では戦闘的な反セルビア集会が開催され、参加したムスリムやクロアチア人の暴徒が、警察の取締りを受けることもなくセルビア人を殴打し、商店を襲撃する事件が起こった。
… ( ゜Д ゜ |||)
セルビア君…君は前から大セルビア主義を唱えて、我が領土であるボスニア・ヘルツェゴヴィナを、セルビアの領土だと主張していたね?
そして私がボスニア・ヘルツェゴヴィナを併合したことを、とても不満に思っていることも知っているよ。
私はこのテロ行為について、セルビア政府そのものが裏で関与していると思っているのだが…
そりゃたしかに、ボスニア・ヘルツェゴヴィナは欲しいわ。
そこの住民はスラブ系の正教徒であり、セルビア語を話す人も多く、本来なら我が領土や。
そこの住民かて、オーストリアに支配されるよりは、我がセルビアと一緒になりたいと思うとるはずやで。
オーストリア帝国の民族分布図(ハプスブルグ帝国衰亡史・参照) | |
【 非スラヴ系 】 ■ ドイツ人 ■ マジャール人 (ハンガリー人) ■ ルーマニア人 ■ イタリア人 【 スラヴ系 】 ■ セルビア人 ■ クロアティア人 ■ チェコ人 ■ スロヴェニア人 ■ ポーランド人 ■ ルテニア人 |
…せやけど、それで我がセルビア政府が皇太子を暗殺しようなんて考えへんよ。
軍部に大セルビア主義を唱えるヤツは多いけど、政府は関係あらへん。
それは調べれば分かることだろう…
48時間以内に、以下の条項を無条件に受諾したまえ。
さもなくば “ 石器時代 ” だ。
1. セルビア政府は、オーストリアに対して敵対的な出版物を発禁にせよ。
2. 大セルビア主義をとなえるセルビアの合法組織『ナロードナ・オドブラナ』を解散させよ。
これに限らず、反オーストリアや大セルビア主義をとなえる団体を解散させ、そういった団体が今後もあらわれないよう、セルビア政府は必要な法改正をせよ。
3. 学校で反オーストリアの宣伝をする教師はクビにせよ。
4. 反オーストリア宣伝で有罪になった軍人・官僚は、すべて軍・行政機関より追放せよ。
5. セルビア国内での反オーストリア運動の取り締まりに、オーストリア政府の機関を関与させよ。
6. セルビア領内での暗殺事件の共犯者を司法尋問すること、なおその際にはオーストリア政府の機関を参加させよ。
7. 早急に、暗殺犯に協力していたセルビア陸軍の関係者を逮捕せよ。
8. セルビア政府は、オーストリア国内のスラブ人に対する武器・爆発物の密輸を防止せよ。
また暗殺実行犯が国境をこえることを幇助した国境警備官は、罰するとともに免職せよ。
9. 暗殺事件以来、セルビアの内外で政府高官がオーストリアに敵対的な発言をした件につき、オーストリアに弁明すべし。
10. 以上の要求を実現するため、セルビア政府は具体的にどんな手段を実行したのか、その都度オーストリアに報告せよ。
「一国が他の一国に与えた、最も過酷な要求」 ―― イギリス外相グレイ
…「5」と「6」は、ワイの国家主権にかかわる問題やから、呑まれへん。
でも他の条件は、全て呑むわ。
これで勘弁してくれるか、ワイかて今回のことには責任を感じとるんや。
よろしい、では戦争だ!
セルビアを石器時代に戻してやる!
そ、そんなっ! 出した条件は、ほとんど全部呑むと言うてるんやで!?
私は言ったはずだ、全ての項目を無条件で呑め、と。
最後通牒を無視して戦争を選んだのは君だよ、セルビア君。
た、助けて〜 つД`)
はっはっは!大丈夫、ボクが助けてあげるよ!
お、お前は誰や?
僕の名前は夢防備マン! ※ 類似品にご注意下さい。
抵抗するから攻撃されるのさ、こんな時は無防備都市宣言だよ。
セルビアの首都ベオグラードは、あまりに国境から近すぎるため、セルビア政府は抵抗拠点を南部に移動
――
見捨てられる形となったベオグラードは、攻撃から市民を守るために無防備都市宣言を行ったのである。
あ、ありがとう夢防備マン!
アンタのおかげで、ベオグラードの市民も死なずにすむわ。
愚かな戦争で死ぬのは、野蛮で人殺しの好きな軍人だけで十分さっ♪
平和を愛する市民の役に立てるなら、またいつでも ――
撃ていっ!!
―― しかしオーストリア軍は、ベオグラードを砲撃 ――
ロシア
やいオーストリア、俺の舎弟のセルビアに、何をイチャモンつけて攻撃しているクマ!
これ以上続けるなら、俺と戦争することも覚悟しろクマ!
あーら、オーストリアは私の同盟国ってことを忘れてない?
へー、そのオーストリアに喧嘩売っちゃうんだ?
…え?
よろしい、では戦争だ!
ロシアを石器時代に戻してやる!
お、落ちつくクマ!
ちょっとオーストリアを脅しただけで、何も本当に戦争するとは…
というわけで、フランスに攻撃よ!
フランス
はい??? (´Д `;)
だって露仏同盟により、フランスはロシアの同盟国なんでしょう?
第一次世界大戦の直前のヨーロッパ
ロシアとフランスは1892年の露仏同盟により同盟国であった。
このためドイツは、東西から挟み撃ちになることを恐れていた。
ロシアと戦争するならば、まずはフランスを瞬殺して東西から挟み撃ちにされるのを防がないと。
というわけで、全戦力を集中してフランスを攻撃よん☆
その後でロシアのクマ野郎をじっくり料理してあげるわ。
ロシア軍は鉄道の不備のせいで、ドイツ領に来るのに時間がかかるんだし。
時間差を利用した各個撃破ってわけよ。
※この作戦を「シュリーフェン計画」と呼ぶ。
ま、待ちたまえドイツ君! むやみに敵を増やすのは――
うっさいわね〜。
前からそうするって決めていたんだから、今さらゴタゴタ言われても作戦は変えられないわ。
だいたいフランスってさ、普仏戦争で失ったアルザス・ロレーヌ地方の奪還を狙っているでしょ?
敵になるのなら、先手必勝でぶっ潰すに限るわよ。
いや…アルザス・ロレーヌ地方は取り戻したいけど、そのために戦争までする気はないですの。
( 無視 )ブチ殺す前に一応は聞いておくわね、あんた私がロシアと戦争したらどうする気?
中立か参戦か、今すぐハッキリと答えなさい!
(ムカ!)我がフランスは、あくまでもフランスの国益にしたがって行動するですの!
ビール腹のジャガイモどもに指図される理由はないですの!
よろしい、では戦争だ!
フランスも石器時代に戻してやる!
来やがれですの、この(検閲削除)野郎!
ドイツさん…あなた、頭のほうは大丈夫ですか?
たしかにドイツ帝国は、いまや我がイギリスをもしのぐ世界で2番目の工業国ですわ。
近代戦においては、工業力は国家の戦争力と言ってもいい。
※ 第1位はアメリカ(全世界の36%)、2位がドイツ(16%)、3位がイギリス(14%)。
ちなみに日本は1%。 (浜島書店『最新図説 世界史』p126より)
でもロシアとフランスを同時に相手にして、勝ち目があるとでも?
しかも『2対1の挟み撃ちを避けるために、まずフランスを瞬殺する』ですって?
国境で待ち構えるフランス軍にてこずる間に、背中をロシアに刺されて終わりでしょうね。
悪いことは言わないから、お止めなさいな。
あーら、私はいたって本気よん☆
勝算もないのに戦うほど、ドイツ軍人はアホじゃないわよ。
……
ふっふっふ、「ふ」が3つ…我に秘策あり!
シュリーフェン計画の真の奥義、ライトウィング・アタック!
そ、それはまさか!?
知っているのか、雷電?
兵は詭道なり、相手が予測しなかった場所を攻めることが肝心よ。
フランス軍が陣地を敷いて待ち構える南部の国境地帯ではなく、ベルギーを通って北部からフランス領に突撃ぃ〜。
ちょっとお待ちなさい!
ベルギーは列強の合意…つまりドイツも合意の上で認められた中立国であり、いかなる国も軍事行動で通ることは許されませんわよ!
ドイツ軍の左翼は、フランスの予想通りに南部の国境地帯を…
そして本命である右翼には全戦力の8割を割いて、ベルギーを経て無防備な北部の国境地帯を突撃よ。
人の話を聞きやがれ、このジャガイモめが !!!!!!!!!
我が国は中立国であるベルギ。
よって、いかなる国の軍隊も通行することを認められないベルギ。
右翼隊を通してくれたら、なにもしないわ。
急いでいるからさっさと通してよ、この作戦はスピードが命なんだから。
中立国に軍事行動を起こす時点で、すでに信じられないベルギ。
繰り返す、我が国は列強の合意で認められた中立国であり、いかなる国の―――
よろしい、では戦争だ!
ついでにベルギーも石器時代に戻してやる!
ベ…ベルギーッ(涙
きゃはははは☆ 次はフランスの番よぉ〜♪
……( まずい、今のドイツの国力はフランスの2倍ちかくもある…)
……( このままではドイツがフランスを瞬殺するわ…)
第一次世界大戦の前年である1913年では、フランスの世界における工業生産が6%に対し、ドイツは16%。
また1914年のフランスの本国人口が3960万人に対し、ドイツのそれは6490万人。
この圧倒的な国力差ゆえに、フランスはロシアと露仏同盟を結んでいたのである。
…( そうなったら統一ヨーロッパ帝国ができてしまう!)
…( そうしたら、その次は海をこえてイギリス本土にも侵攻してくるわ! )
…(今ここで、軍事力でドイツを制止するしか無い!)
「帝国の興亡」 ドミニク・リーベン著 上巻p245
ある外国がイギリス海峡の大陸側の港を支配し、ヨーロッパ全土の資源を連合王国(※イギリスのこと)に対して動員できれば、いくらその国が平和を愛好すると公言したり、イギリスへの友好をうたい上げたりしようと、イギリスの安全保障にとって容認しがたい脅威であると見なされた。これこそ、二〇世紀にイギリスが二度の大戦に介入して、ドイツと戦った最も根本的な理由である。
「国際紛争」 ジョゼフ・ナイ著 p100
半実仮想の第3の可能性としては、イギリスの参加しない2正面戦争というものを考えて見ることができる。ドイツとオーストリア対フランスとロシアという戦争である。もしイギリスが参加して影響を与えなければ、ドイツが勝っていてもおかしくはない。もしドイツがベルギーに侵攻さえしなければ、イギリスは参戦しなかったかもしれない。もっとも、現実にイギリスが参戦した主な理由はベルギーではなかった。一部の人々にとって、たとえば外務省のエドワード・グレイなどにとって参戦の主要な要因は、ドイツ人が大陸を支配する危険だったからである。
…( だけど我がイギリスは、ヨーロッパ本土に関わらないのが伝統政策 )
…( 戦争を始めることに、議会の支持は得られるかしら?)
……(でもドイツは中立国であるベルギーに侵攻した…大義名分はバッチリね
)
よろしい、では戦争だ!
ドイツを石器時代に戻してやるわ!
ま、待ってくれ! 私とドイツ君は、なにもイギリス君と戦う気なんて――
よろしい、では戦争だ!
ブリ公どもを北海に沈めて、タラの餌にしてやるわ!
「 活動的な馬鹿より恐ろしいものはない 」 ―― ゲーテ
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オーストリア帝国のセルビアに対する宣戦布告は、
世界中の国をまきこむ大戦へと拡大していった。
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第一次世界大戦である。
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そして…およそ800万人が命を落とした。
総力戦の末に、ドイツ帝国とオーストリア帝国は敗北…
敗戦国となったドイツは莫大な賠償金を課され、経済が破綻…
そしてドイツ国民は未曾有のハイパーインフレに苦しむことになる…
はぁ…なんでこんなコトになっちゃんだろ…
そしてオーストリア帝国では、700年続いたハプスブルグ家が崩壊…
ここに東部ヨーロッパを支配した『列強』オーストリア帝国はその役目を終え…
そして帝国内の少数民族は、それぞれ小国として独立する…
あぁ……… 私はどこで選択を間違えたんだろうか……
「1914年のオーストリア & ドイツ」とかけて「太宰治」ととく。
して、その心は?
「生まれてきて、御免なさい」
ヒドス…
戦争とは、普通はどちらにも相応の責任があるものです。
ただ第一次世界大戦についての『責任』は、ほぼ確定しているのではないかと思います。
つまり日本が悪いんだおっ!
そんな、どこぞの極東アジアのようなことは言わないで下さい。
んじゃ米帝が悪いんだおっ!
そんな、どこぞの以下略――
んじゃユダヤがry
(無視) 作者の私見ですが…開戦の責任は、明らかにオーストリア帝国ですね。
セルビアはオーストリア帝国の出した条件をほぼ全て承諾しており ―― これだけでも信じ難い譲歩ですが
―― 交渉において『全ての項目を無条件で承諾せよ』というのは、外交としては常軌を逸しています。
オーストリア帝国には、戦争を避けよう、とかいう考えは無かったお?
オーストリア帝国の側には、そんな気はありませんでした。
一方のセルビアは…列強オーストリアが相手では勝ち目がないので、戦争回避に必死です。
しかも数年前にバルカン戦争をやったばかりで、国力も疲弊していましたから。
で、ドイッチュランドに「開戦の責任」は無いんでつか?
ドイツが無責任に煽ったようにも見えるんでつが…
たしかに…ドイツは本来ならば、オーストリア帝国に、
セルビアと戦争をすればロシアが出てくるから、止めてきなさいよ。
…と言うべき立場ですし、ビスマルクが健在ならば確実にそうしたでしょう。
それなのに、「セルビアに宣戦布告まではしないだろう」とタカをくくり、
全面的にバックアップするわ。
もしもセルビアの親分のロシアが出てきたら、私が何とかしてあげるわ。
…と安易に約束して、オーストリア帝国をして心置きなくセルビア帝国に宣戦布告できる『安心感』を与えてしまいました。
ドイツが助太刀を約束しなければ、間違いなくオーストリア帝国はセルビアに対して宣戦布告をしていませんね。
んじゃー、ドイツも悪くね?
でも同盟国の皇太子がテロで殺されたのでは、ドイツもテロを強く非難せざるをえませんよ。
ドイツだけでなく、第一次大戦ではドイツ&オーストリアと戦うイギリスさえも、皇太子暗殺の件ではセルビアを強く非難しています。
「ロシアが出てきても怯むな」と余計なことを言ってしまったのは、たしかにマイナスではありますけどね。
私はドイツの責任は、オーストリア対セルビア間の二国間の戦争を、欧州全域に拡大させてしまったことだと思います。
そして…繰り返しますが開戦の責任の大半はオーストリアにあるでしょうね。
最初から絶対に呑めないような条件を選んで、セルビアに突きつけたのですから。
ベルヒトールト夫人 ※ベルヒトールト・レオポルト・フォン…オーストリア・ハンガリー二重帝国の外相
「かわいそうにレオポルトは、セルビアに最後通牒を送った日には眠れませんでした。セルビアが最後通牒を受け入れるかもしれない、と気をもんでいたのです。夜中に何度も起きあがって、絶対受け入れられないように言葉を変えたり、つけくわえたりしてました」
「ハプスブルグ帝国衰亡史」 アラン・スケッド著 p287
あるハンガリー歴史学者によれば、ティサはセルビアの反応が交渉で解決できると思っていた、という。表向き、ベルヒトールトの言葉からはそうとしか思えなかったのだ。しかしベルヒトールトは、この最後通牒がかならず拒否されるよう細心の注意を払っていた。かならず戦争に突入させるため、彼はベオグラード駐在大使に「単純明快な」受諾を要求させた。
オーストリアは近・現代に災禍をもたらしたクソ国家、以上!
永遠に謝罪と賠償をすべし、以上!
…これにて本日の歴史講座は終了だお。
読者の皆様、ではまた今度〜。
…ロシア史番外編の第一話でも書きましたが…
私は歴史を善悪で語ったり、どこかの国をあげつらう道具に用いるのは好きじゃありません。
「お前が悪い」で終わらずに、「なぜ相手はそんな選択をしたのか」を突っ込んで考えるべきでしょう。
なぜオーストリアは、病的なまでにセルビアを敵視したのか?
いかなる歴史の流れの結果、セルビアを滅ぼそうとしたのか?
他にとるべき方法は本当になかったのか?
というわけで、オーストリア帝国の近代史を次回に説明したいと思います。