ちょっと作者個人の話をしましょうか。
作者の?
マクドナルドでは、店員さんがお釣りを渡すときに手を握ってくれる事がありますよね?
ああ、店員さんによりますわね。
作者がレジで並んでいたときの事です。
他の男性客には手など握らないのに、作者の時にだけ手を握ってくれたのでつよ。
まだ若かった作者は直感しました。
この店員、さては俺みたいなのがタイプだな!
やれやれハンサム顔は辛いぜHAHAHAHA!
何回か通った後、意を決してアタックしたのですがアッサリ玉砕してしまいますた。
御免なさい、こんな時はどういう返事をしたらいいのか分かりませんわ。
これは歴史の教訓でつよ。
単なるリップサービスを、本気だと勘違いするのは痛すぎるという事でつ。
具体的に言うとロシア帝国!
なんでロシア?
ロシアはドイツと同盟関係ですた。
だからドイツが仲介役を買ってベルリン会議を開いたとき、ロシアはこう期待したんでつ。
ドイツなら…ドイツなら、
きっと何とかしてくれる!
ロシアという国 …bU
「 ベルリン会議 」
「大国の指導者たちとなると、一致団結することからしてまずむずかしい。」 「またそれを実現できたとしても、団結を維持しつづけるのが、これまたひどくむずかしい。」 ―― マキャベリ |
まずは前回の復習といこうか。
露土戦争に勝利したロシアは、オスマン・トルコとの間に「サン・ステファノ条約」を締結した。
1) オスマン・トルコはバルカン半島の諸民族に自治または独立を認めること
2) ベッサラビアやカフカス方面でのロシアの領土拡張を認めること
3) 領内のキリスト教徒への待遇を改善すること
しかしこの条約は、イギリスとオーストリアにとって受け入れられないモノだった。
サン・ステファノ条約による新国家誕生
↓イギリス
何ですかコレは?
ブルガリアなんて、どーみてもロシアの保護国でしょう?
それにこの領土の大きさは、明らかにブルガリア人の少ない場所にまで拡大されていますわよ?
「バルカン半島の南部を支配して、地中海に出てぇー」
・・・という本音が、哀しいほどにスケスケですわね。
我が大英帝国にはロシアの地中海進出を認める気など無いと、もう分かっているでしょう?
↓オーストリア
何だねコレは?
こんなにポンポンと独立国を作って、バルカン半島を民族運動のモデル地域にでもしたいのかね?
ロシア君がパン・スラブ主義を掲げてスラブ人マンセーするのは自由だが、それを他国に拡大するのは迷惑だから止めてもらいたい。
「バルカン半島はあくまで現状維持」
これが我がオーストリア、ひいては他民族を統治するハプスブルグ家の方針だよ。
しかもブルガリアをこんなに拡大させるなど聞いていない話だな。
サン・ステファノ条約を撤回せよ!さもなくば戦争だ!
↓ロシア
・・・・・・・( ゲロまずいクマ )
ドイツ殿、味方をしてくれないかな?
ロシアの無茶苦茶な野心に協力することは無いと期待している。
おいドイツ、同盟国として期待しているクマ。
オレとオマエは陸続きの隣国だってことを忘れないでほしいクマ。
↓ドイツ
え? ・・・・ちょ・・・何でそこで私にフるわけ?(汗
ドイツさん、あなたは中立だと解釈しているから私は気にしていませんが・・・
もしもロシアに味方するのなら、我が大英帝国の国益を脅かす仮想敵国と見なしますので、よく考えて行動して下さいな。
・・・・(ヤバイ、ヤバイ!これちょっとマジでヤバイって!)
(一歩まちがえたらヨーロッパ全土をまきこむ大戦じゃないの!)
↓フランス
・・・・ルヴァンシュ・・・ルバンシュですの・・・
うふ、うふふうふふふふふふふぅぅ♪
ルバンシュゥゥ〜〜〜〜
※ルヴァンシュ:復讐
・・・・(国内はまだドイツ統一の整備が整っていないうえ、こんな逝っちゃってるヤツが隣にいるのに、戦争なんかできないわ!)
・・・・・・・・
「東方問題は、ただ1人のポンメルン擲弾兵の骨にも値しない。」
訳:バルカン半島の奪い合いに、ドイツを巻き込まないでちょーだい。
・・・・・・
・・・・(あら、すべっちゃった)
別にいいですよ、私とオーストリアでロシアをバルカン半島から退かせますので。
さあロシアさん、戦争か撤退か好きなほうを選びなさいな。
・・・・( ちょーやばいクマ、拒否ったら戦争クマ )
・・・・( あっさりOkしてもナメられて戦争ふっかけられるかもしれないし、今度は国内が黙っていないクマ
)
・・・・・・・・・・・
★ 現在のまとめ ★
1) イギリス・オーストリアがロシアにバルカン半島からの撤退を要求する
特にイギリスは絶対に妥協しないだろうし、オーストリアも既に軍を動員している (0,5秒)
2) ロシアは2対1の不利な戦争するだろうか? (0,8秒)
・・・・・・・・・
★ 考えられる展開その1 ★
1) ロシアは勝ち目の無い戦争を避け、戦わずに手を引いて終了したとする (2,2秒)
※事実、クリミア戦争ではオーストリアに裏切られた時点で撤兵している
2) ロシアが地中海進出を諦めたら、ロシアはイギリス・フランス・オーストリアと敵対する理由が無くなる (1,3秒)
3) ロシアがもしもイギリス・フランス・オーストリアと組んだら、ロシアにはドイツとの同盟が絶対に必要では無くなる (0,5秒)
4) 復讐に燃えるフランスはロシア、イギリス、オーストリアのどれかと手を組み、ドイツを2方面から攻撃 (0,4秒)
5) さよならドイツ、君の事は忘れない (0,2秒)
ダメじゃん orz
★ 考えられる展開その2 ★
1) 戦争になっちゃったとする (2,2秒)
2) ドイツは中立でも、ロシアとオーストリアが争ったら三帝同盟がパー (1,3秒)
3) フランスはロシアなりオーストリアなりと手を組み、ドイツを2方面から攻撃 (0,4秒)
4) さよならドイツ、君の事は忘れない (0,2秒)
ダメじゃん orz
★ 考えられる展開その3 ★
1) 戦争になっちゃったとする (2,2秒)
2) ドイツはロシアまたはイギリス・オーストリアに味方して参戦 (1,3秒)
3) 国内の整備が整わないドイツは、まちがいなく弱体化する (0,4秒)
4) しかもロシアか、イギリス・オーストリアのどれかを確実に敵にまわす (1,3秒)
5) 敵になった側の国とフランスが手を組んで、弱ったドイツを攻撃 (2,1秒)
4) さよならドイツ、君の事は忘れない (0,2秒)
ダメじゃん orz
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ねえみんな、このままじゃ列強同士の大戦争よ。
私が仲介に立ってあげるから、話し合って解決しない?
私はイギリス・オーストリア・ロシアとちがって、バルカン半島の情勢に何の興味も無いわ。
だから仲介役としてはベストだと思うんだけどなあ。
別にかまわんが、ロシア次第だな。
ロシアの返答しだいでは戦争しかない。
おや、「問題は話し合いではなく鉄と血によってのみ解決される」がドイツの口癖だったはずですが・・・
まぁいいでしょう、私も話し合いで解決できるならその方がいいです。
で、ロシアさんは?
話し合いにすら応じないなら、即座に戦争ですが
・・・・お、俺からもお願いするクマよ・・・・
というわけで助けてビスマルクぅ〜!
↓ビスマルク
私はドラえもんですか。
外交は貴方の得意分野でしょう?
ロシアもオーストリアも大事な同盟国よ、彼らが争わないよう、ロシアにバルカン半島への進出を断念させてちょうだい。
でもロシアからは恨まれますね。
もちろんロシアからは恨まれないようにしてちょうだいよ?
会議の司会は貴方だと言っておいたから。
・・・胃潰瘍になったら治療費払って下さいね。
1878年6月13日、ベルリン会議
先に断っておくが、各々で妥協点を見出せないなら、もう私は知らんからな。
では今から出欠を取る!(←すでに仕切り役)
みんなのアイドルな癒し系国家、ロシア帝国クマ。
19世紀の覇者、大英帝国ことイギリスですわ。
今やハプスブルグ家の伝統だけが自慢のオーストリア帝国だ。
※正確にはオーストリア・ハンガリー二重帝国
普仏戦争で負けて以来、影が薄いけどフランス共和国ですの。
ふと思ったんだけど、なんで俺だけ動物クマ?
ロシアに人間のアイコンなど勿体無いですわ。
最初は高田総統のアイコンの予定だったんだが、あんまりだから動物の絵にしたのだ。
そんなアイコンで登場されたら、ミトレイユース機関砲でハチの巣ですの。
ミトレイユース機関砲 普仏戦争のフランスの秘密兵器。 25発の弾丸をまとめて発射し、しかも次の発射は数秒で可能で、 歩兵が相手ならおそるべき威力を発揮するはずだった。 しかし歩兵が用いるにはあまりに重く、後方で砲兵が用いるには 射程が短く、威力の割にはいまいち使えなかった。 |
これって明らかに国籍による差別クマ!
人種差別撤廃委員会に訴えてやるクマ!
何ですの、それは?
グフフフ、人種差別撤廃条約(ICERD)への違反がないかを監視する国連の機関クマ。
彼らの手にかかれば、沖縄に米軍基地があることも差別になるクマよ?
差別国家、人権後進国のレッテルを貼ってやるから覚悟するクマ。
「人種差別の撤廃に関する委員会の最終見解」 C項の7より抜粋
沖縄の住民は、特定の民族的集団として認識されることを求めており、また、現在の島の状況が沖縄の住民に対する差別的行為につながっていると主張している。
何ですか、その特定の政治勢力に入れ知恵されたとしか思えない報告書は?
しかもリンク先を読むと、「都知事の三国人発言も差別」とか現代史に無知丸出しなことを書いているし。
そもそも国連人権委員会の国がスーダンって時点で、ギャグ決定ですの。
話を脱線させるな、ここは1878年のベルリン会議だぞ!
なんで21世紀の島国の話が出てくるのだ!
脱線は世界史コンテンツの仕様だ、気にせず話を進めてくれたまえ。
コホン・・・さて本日みなさまに集まっていただいたのは他でもない。
露土戦争の後始末をどうするか?
↓露土戦争の講和で結ばれた、サン・ステファノ条約
サン・ステファノ条約では、バルカン半島の南半分を巨大な新独立国「ブルガリア」が占めることになる。
この件で、各国の意見を聞こう。
そもそもバルカン半島を、イスラム勢力のオスマン・トルコが領有している事からしておかしいクマ。
あそこは元々、我らキリスト教徒(正教徒)の国家があった場所クマ。
だからといってロシアがバルカン半島を支配下に置く理由にもなりませんわね。
ブルガリアなんて、誰がどう見てもロシアの属国ですわ。
重ねて言いますが我が大英帝国は、ロシアがバルカンを占領して地中海に出ることを決して認めませんわよ。
ロシア君・・・・・・・・
私が民族問題に過敏になっているのは知っているね?
バルカン半島のスラブ人を「スラブ人マンセー!」「独立フォー!」と煽るのは止めてもらいたい。
露土戦争の開戦前は
「バルカン半島の西部にまで、パン・スラブ主義が広がることはないかな?」
・・・と思ったから介入しなかったが、なんだねブルガリアの巨大な領土は?
ここまで露骨にパン・スラブ主義を広げられると、もう我慢ならんな。
私もロシアが地中海に出てくるのは嫌ですの。
落ち着いてアフリカ侵略にかかれないですの。
我がロシアは、露土戦争で大きな犠牲を払っているクマ。
それに露土戦争の大儀であるスラブ人の独立を、今さら撤回なんてできないクマ。
お前らだって「キリスト教徒を弾圧するのは止めろ!」とオスマン・トルコを非難してたクマよ?
大きな犠牲ですか、それはお気の毒に。
お望みなら、さらに犠牲を増やしてあげましょうか?
その時は手を貸そう。
た・・・助けてドイチュ・・・
生意気だぞ、ロシアのくせに!
煤i´Д `;)
ロシアがサン・ステファノ条約にこだわったら、まとまる話もまとまらないだろ!
ちったぁ空気読めよ!
おほほほほほ♪ ドイツ、グッジョブ!
これでロシアのバルカン進出を支持する国はゼロになりましたわね。
2対3と1対4では大違いですわよ〜?
・・・・・・・orz
しかしロシアの露土戦争には大儀があります。
またロシアの面子を立てて、バルカン半島に新たな独立国の誕生を認めましょう。
(よし、フォローもばっちり!)
いやだから、その「独立国」ってのが単なる保護国、衛星国にすぎないと・・・・
【保護国】
条約に基づき、他国を保護下に置き、その統治権能の一部を代わって行使する国。また、逆に保護を受ける国。
【衛星国】
大国の周辺にあって、内政・外交が事実上その国に支配されている国家。〔第二次大戦後、東ヨーロッパ諸国を「ソ連の衛星国」と呼んだことから用いられるようになった〕
――― 大辞林より
ブルガリアの面積を大幅に縮小してはどうでしょうか?
これならイギリスの心配する「ロシアがバルカン半島の南半分を支配」って事もなく、ロシアが地中海に進出することは不可能です。
Σ(TДT;)
↓ベルリン会議の結果、縮小されたブルガリア領土
ちなみにこれがサン・ステファノ条約である。比較してもらいたい。
おほほほほほ♪ ドイツ、グッジョブ!
貴国とは今後も仲良くやっていけそうですわね。
もちろんバルカン半島の諸民族がオスマン・トルコから独立できたのは、ロシアの奮闘のおかげである事を忘れてはいけません。
ロシアには、オスマン・トルコの領土を削り取って領土拡大する権利と、賠償金をゲットする権利があります。
(よし、フォローもばっちり!)
・・・どれぐらい拡大するのですか?
こんなモノでいかがでしょうか?
当初の方針通り、ベッサラビアとカフカスで領土拡大ってことで。
たったそれだけ? Σ(TДT )
おほほほほほ♪ ドイツ、グッジョブ!
素晴らしい提案ですわ、大賛成です。
良かったですわねロシアさん、戦勝国としての面子が立ちましてよ?
・・・・・・orz
でも私は不安ですわ。
何がですか?
バルカンの問題はたしかに解決しました。
しかしロシアはコーカサスの南部……カフカス方面に領土を拡張しています。
あんな場所、オマエの大事な地中海航路には関係ないクマよ。
カフカス方面で領土を拡張されたら、私の植民地であるインドから、目と鼻の先までロシアの勢力が伸びることになります。
植民地インドの防衛を国防方針とする我がイギリスとしては、これは受け入れられませんわ。
おい……カフカス地方からインドまで、どれだけ距離があると思っているクマ?
インドを守るためには、インドに隣接する地域…つまり中近東を守る必要があります。
カフカス地方で領土の拡張があれば、中近東の秩序が脅かされますわ。
そんなこと言い出したら、世界中の国はイギリスに遠慮しないといけないクマっ!
バルカン進出だけでなく、このうえカフカス方面での領土拡張もダメだなんて、聞き入れられないクマ!
………( マズいな、このままでは交渉が決裂する )
( ロシアにもカフカス方面の拡張ぐらいは認めてやらんと )
……( しかしイギリスにロシアのカフカス方面での拡張を認めさせるには、代価を与える必要があるな
)
……
ロシアにカフカス方面での拡張を認めるかわりに、イギリスさんには新たな領土をプレゼントってことで。
どこですか?
オスマン・トルコ領のキプロス島です。
ここをイギリスの領土にすれば、大事な地中海航路を守る拠点にできますよ。
あ、もちろん買い取りで、トルコに代金を払ってくださいね。
↓ギリシャ
ちょっとぉ! キプロス島の住民の大半は、我がギリシャ人よぉー!
今はオスマン・トルコ領だけど、本来は我がギリシャの――――
弱小国の意見なんか聞いてねーよ!
世界の秩序は、列強が話し合って決めてこそ、実効力があるんだよ!
…………orz
おほほほ♪ 一兵の血も流さず領土をゲットですわ♪
・・・・・・・・世の中は不公平クマ・・・
……( 実はこうなることを予想して、事前にトルコやイギリスには根回しをしていたけどなっ!)
ああ、私の言い分も聞いてもらいたい。
?
そうやって独立国をポンポンと認めていけば、バルカン半島は収拾が付かなくなる。
バルカン半島と隣接し、自国に少数民族をかかえるわが国の事も考えてもらいたい。
・・・・・・・・・
えっと、少数民族といっても色々あります。
例えばどの辺の連中が特に騒いでいるのですか?
セルビアだよ。
スラブ民族の中でも、彼らのスラブ民族意識は特に過激だ。
セルビアの民族主義者たちは、単にセルビアの独立だけではなく、
「セルビアは周辺の諸民族を併合して、大セルビアを作るべきだ!」
「古きよきセルビア王国を復活させようぜ、ワーオ♪」
などと言っているのだ。
古きよきセルビア王国
ちなみに14世紀のお話である。
しかも連中は「いっそボスニアやアルバニアも併合しねー?」
と言っているのだ。
彼らの意図は単なる民族自決ではない。
列強「グレートセルビア・ギャラクシーバルカン帝国(仮称)」の建国だよ。
そこまでダサい名前は無いと思いますが。
もしも連中がセルビア領内にとどまらず、ボスニア・ヘルツェゴビナやモンテネグロを併合したら・・・
バルカン半島の中西部を占め、アドリア海におけるわが国の制海権を脅かすことだろう。
モンテネグロ人とセルビア人は同じスラブ系だから、可能性は十分にある。
たしかに新たな列強の誕生は好ましくありませんねぇ。
隣接するオーストリアが神経質になるのも分かります。
かといって今さらセルビアの独立を取り消すと、また余計な騒乱が起こるでしょうし。
というわけで、ボスニア・ヘルツェゴビナは自治権を持った半独立国にして、宗主国はオスマン・トルコでも行政は我がオーストリアが管理したい。
列強である我がオーストリアの保護下におけば、セルビアに併合されることも無い。
ふむ。
正直、ボスニア・ヘルツェゴビナを属国にしたところで、内政面ではメリットどころかデメリットばかりだ。
しかし軍事的に見たら、セルビアやパン・スラブ主義からの防衛ラインにはなる。
戦わずして支配地を増やしたことは、表向きはオーストリア外交の勝利である。
たしかにオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフは、久々に領土が増えたと素朴に喜んだ。
しかしベルリン会議に出席したオーストリア外相のアンドラーシは、ボスニア・ヘルツェゴビナをオーストリアの保護国にする事に消極的で、「この地域を後にオスマン・トルコに復帰させるだろう」ともほのめかしている。
なぜなら国内のスラブ系住民の割合が増えるからであり、支配者層が非スラブ系であるオーストリアにとっては好ましいことではなかったからである。
※ アラン・スケッド著 「ハプスブルグ帝国衰亡史」 第6章参照
ああ、それから・・・・サン・ステファノ条約ではセルビアの領土が少なすぎるな。
セルビアの領土をもうちょっと南に増やすことを提案する。
↓
はい? セルビアはスラブ系だから嫌いなんじゃないクマ?
外交とは、単に「敵か味方か」だけで判断するものではない。
同じスラブ系でも、セルビアはロシアに対して冷淡で、親ロシアであるブルガリアを警戒している。
敵の敵は味方。
ロシアと、その属国であるブルガリアへの嫌がらせなのだよ。
・・・・・おまえって根性ウンコ色クマね。
※この後しばらくは、セルビアは親オーストリアとなる
バルカン半島をめぐる、ロシア対オーストリアの対立である。
この両国の衝突は、後に第一次世界大戦へと発展する。
ではこれで、無事に話がまとまりましたわね。
ドイツのおかげで、無意味な争いと危険な野心の暴走を食い止められましたわ、感謝します。
ヨーロッパの安定には、ドイツは欠かせない国ですわ。
うむ。 ドイツのおかげでバルカンの平和は保たれた、礼を言う。
いえいえ、私は誠実な仲介人ですから。
みなさま、お疲れ様でしたー☆
お疲れ様♪
ロシアさんも良かったですね〜☆
サン・ステファノ条約はボツですが、イギリス・オーストリアとの戦争は避けられたし、領土も広がったし賠償金も得たし、パン・スラブ主義の保護者としての面子も立ちましたよ?
良いことだらけですね〜☆
(よし、フォローもばっちり!)
・・・・・・・・
ロシアさん?
先に帰らせてもらうクマ。 じゃあねバイバイ。
・・・(やはり怒ったか、まぁ時間をおかないとダメかなこれは)
あの、私は?
うるせー氏ねボケ!
だいたいアフリカやアジアを侵略して植民地にしているクセに、ちょっぴり自分の領土が削られた程度で、何が「ルヴァンシュ、ルバンシュ!」だ、粘着しやがって激キモいんだよ!
挙句の果てに「最後の授業」などと意味不明なプロパガンダ妄想小説を作って、中国みたいに自分が攻められた時だけ被害者ぶってんじゃねーぞエスカルゴ野郎。
ベルリン会議で我がドイツの株も上がったことだし、今後は今まで以上に孤立させてやるから覚悟しろ!
いつかブチ殺すですの!
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なんというか、日本人の理解をこえている連中ですわね。
日本だって、戦国時代の外交はこんなモノだよ。
ただ欧米は、エニタイム・エニウェアで戦国時代なだけだ。
ごめん、ちょっと聞きたいんだけど…
なんだ?
なんでセルビアとロシアは、仲が冷淡なの??
ロシアが露土戦争をはじめたのは、大義名分では「バルカンのスラブ系を助けるため」でしょう?
いい質問をするようになってきたな、理由は3つある。
1) セルビアはボスニア・ヘルツェゴビナを自分の未来の領土だと思っており、勝手に外交カードでオーストリアに譲ったロシアへの不満があった。
2) ロシアが露土戦争を始めたとき、セルビアはトルコと和平交渉したばかりだった。
このため、セルビアは露土戦争に協力するのが遅れてしまった。
…結果、ロシアはセルビアの領土拡張に冷淡になり、両国の仲がさらに冷え込んだ。
3) このためセルビアは、サン・ステファノ条約を「となりに仲の良くないロシアの巨大な保護国が誕生する」と警戒した。
こうしてロシアとセルビアの仲が冷えたので、オーストリアはセルビアを助けたんだよ。
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さて、ベルリン会議後
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ロシアさーん、ご機嫌いかが?
・・・・・・・
いろいろあったけど、三帝同盟を結んだ仲間なんだし、今後とも仲良くしましょうね〜☆
私はロシアさんの味方だよ〜☆
失礼ですが、どちら様ですか?
……(´Д `;)
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ドイツのビスマルクは、決して「ぶっつけ本番」でベルリン会議に臨んだわけではない。
ベルリン会議をまとめる為には、
「ロシアにはサン・ステファノ条約の撤回を納得させるしかない」
・・・と分かりきっていたからな。
だからビスマルクは会議の前の話し合いで、ベルリン会議とほぼ同じ条件で妥協するよう、すでにロシアと話をつけていた。
よーするに「根回し」ですわね。
それでもロシアでは、ベルリン会議の結果に反ドイツ感情が爆発したのだ。
「コンスタンティノーブルへの道は、ベルリンにあり!」
訳…「オスマン・トルコを倒してバルカン半島に進出するには、まずはドイツを倒すべきだ」
また皇帝アレクサンドル2世も、
「ベルリン会議は、ビスマルクの主導でつくられた対ロシア包囲網だ」
・・・と強く反発した。
でもドイツにはドイツの立場があるんじゃ、仕方ないじゃないの。
ロシアは普仏戦争に介入せず中立を取っただろ?
ロシアはその気になれば、フランスと組んでドイツを攻撃することもできたのだ。
「それをせずに中立を通したのだから、ドイツからはもっと多くの見返りがあるべきだ!」
というのがロシアの主張だよ。
「露助は何を夢見てやがるんだ?」としか思えませんが。
しかし黒海艦隊の再建を認めた上に同盟まで結んだのは、事実上「ロシアの地中海進出を認めた」に等しい。
少なくともロシアはそう解釈した。
それなのにいざ本当に進出しようとしたら、急に態度を変えてイギリスの主張に同意したのだから、ロシアがブチ切れるのも無理は無い。
デートには何度もOKしたくせに、いざホテルに行こうとしたら
「そんなつもりじゃなかったの…」
と言われるようなモノでつね。
何よそのアホな例えは。
最初から敵国であればあきらめもつくが、こういう土壇場での裏切り(とロシアは解釈した)は、敵国に対する以上に怒りを誘う。
こうして三帝同盟は、ロシアとドイツの仲が険悪になったことで崩壊してしまった。
あれま。
とまぁ、ロシアの「地中海に出るぞ作戦パート2」は、またしても失敗だ。
このベルリン会議が歴史に与えた影響は2つある。
1) バルカン半島に無数の独立国が誕生したが、これは後のバルカン戦争の原因となる。
2) オスマン・トルコ帝国の衰退が決定的になった。
えっと、(1)の「バルカン戦争の原因」ってなに?
サン・ステファノ条約では巨大なブルガリアが誕生したが、ベルリン会議では領土が大幅に縮小されただろ?
うん、それでロシアが怒ったんだよね。
怒ったのは何もロシアだけではないぞ、当のブルガリア自身もこう考える。
「ちくしょー!ベルリン会議で正当な領土を奪われた!」
「戦って正当な領土を取り戻せ!」
・・・・・・
もちろんセルビアやルーマニアといった、他の新独立国も黙ってはいない。
「ブルガリアが領土を広げるのを黙ってみていたら、俺たちの領土が広がらないだろーが!」
「ブルガリアの抜け駆けを許すな!」
・・・というわけで後にバルカン半島は、ベルリン会議で新しく生まれた国同士が戦争する場所になる。
KOEIあたりが「バルカンの野望」とかいうソフトを出さないのが不思議なほどの、敵味方入り乱れてのグチャグチャな状態だ。
このバルカン半島の戦乱が、第一次世界大戦の勃発する土壌になる。
じゃあ、ベルリン会議をやったのが逆にマズかったわけ?
でもベルリン会議がなければ、高確率でイギリス・オーストリア 対 ロシアの戦争ですわよ?
まぁ戦わずにロシアが妥協した可能性だってありますが。
歴史に「もしも〜」は無いよ、ただ起こった出来事から学ぶだけだ。
私は別にベルリン会議が間違いだったとは思っていない。
当時のバルカン半島の少数民族が独立するのは、もはや「変えられない歴史の必然」だった。
なぜならギリシアはすでに独立していたし、セルビアも19世紀の前半にはすでに半独立国だったのだから。
後に新独立国どうしが戦争したのは「その世代の責任」だろう。
作者の好きなマキャベリ先生の言葉を引用するとだな、
中ぐらいの勝利で満足する者は、常に勝者でありつづけるだろう。
反対に、圧勝することしか考えない者は、しばしば、陥し穴にはまってしまうことになる。
この言葉を聞いた人の99%は、「うんそうだよね」と納得するだろう。
だが国家の指導者がこれを実行するのは難しいぞ?
下手に妥協したら「売国奴」という素敵な名前で呼ばれるからな。
・・・話が脱線したな、バルカン戦争は後に説明するよ。
まぁこうしてロシアの「地中海に出るぞ作戦パート2」は、またしても失敗だ。
これだけ失敗が続いたら、さすがにもう諦めるのではないですか?
たとえオスマン・トルコに勝っても、ロシアの地中海進出を支持する国がゼロでは、どうしようもありませんわ。
とくに世界最強の海軍を持つイギリスが敵にわまっては、打つ手がありませんでしょう。
ロシアの辞書に「あきらめる」という文字は無い。
まだやるの!?
不凍港は、何も黒海→地中海のルートだけではない。
具体的に言うとアジアから海に出るルートだよ。
・・・ ついに日本の出番ですね ・・・
…おまけ…
↓イタリア
( イタリアだニャ♪ )
( ベルリン会議に来てみたニャ♪ )
――――――― !!!!
**※#◇ー――!
………(^_^;)
――――――― !!!!
**※#◇ー――!
( 参加してみたけど、何も言うことが無いニャ… )
( みんな何かしら領土を得ているニャ…おこぼれが欲しいニャ )
**※#◇ー――!
………(^_^;)
――――――― !!!!
**※#◇ー――!
( でもわが国は、バルカン半島や露土戦争には何の利害関係がないし…… )
( 会話に参加するキッカケがつかめないニャ )
これにてベルリン会議は終了です、お疲れさまでした。
……あ、終わっちゃったニャ。
……( 国民には何て説明しよう )
( 他の国とちがって得るものゼロでは、ちょっと格好がつかないニャ )
……
我がイタリア代表は、汚れのない手で会議から帰還したニャ!
イタリアの名誉を守ったニャ!
無能は死ねっ !!!!
… orz
…この結果、ベルリン会議に出席したイタリア代表は辞任に追い込まれた。
まぁ世界史には関係ない話だが。