< 登場人物 >
フォルテ・シュトーレン (当コンテンツの解説役)
ミルフィーユ・桜庭 ミント・ブラマンシェ
ヴァニラ・アッシュ ノーマッド
※ このコンテンツにはギャラクシーエンジェルのキャラクターがアイコンとして使われていますが、作者はまったくこの作品を知りません。
よって『ボクのフォルテ中尉はこんなのじゃないやい(`Д´)』等のクレームにはお応えできません。
※ このコンテンツの半分はネタでできています。一部に過激な表現がありますが、ウソは書いていないつもりですので笑って流して下さい(^−^
♪ みなさんの中に自衛隊に入りたい人はいませんか ♪
♪ ひとはたあげたい人はいませんか 自衛隊は人材もとめています ♪
・・・・ 自衛隊にハイロー♪ ハイロー♪ ハイロー♪ ・・・・
♪ 自衛隊に入ればこの世は天国 ♪
♪ 男の中の男はみんな 自衛隊に入って花と散る ♪
♪ スポーツをやりたい人いたら いつでも自衛隊におこし下さい ♪
♪ 槍でも鉄砲でも何でもありますよ とにかく体が資本です ♪
・・・・ 自衛隊にハイロー♪ ハイロー♪ ハイロー♪ ・・・・
♪ 鉄砲や戦車に興味を持っている方は ♪
♪ 自衛隊にいつでもお越し下さい 手取り足取り教えます ♪
・・・・ 自衛隊にハイロー♪ ハイロー♪ ハイロー♪ ・・・・
♪ 日本の平和を守るためにゃ 鉄砲やロケットがいりますよ ♪
♪ アメリカさんにも手伝ってもらい ♪
♪ 悪いソ連や中国をやっつけましょう ♪
・・・・ 自衛隊にハイロー♪ ハイロー♪ ハイロー♪ ・・・・
♪ 自衛隊じゃ人材もとめています 年令、学歴は問いません ♪
♪ 祖国のためならどこまでも 素直な人を求めます ♪
・・・・ 自衛隊にハイロー♪ ハイロー♪ ハイロー♪ ・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
何ですの、このフザけた歌は?
・・・「自衛隊に入ろう」 作詞・歌 高田渡 作曲 ビート・シガー ・・・
メディアの中では放送禁止になっている歌だ。
昔、N●Kの生番組で歌われたたこともあってな、自衛隊から作曲者に電話がかかってきたんだが・・・・
そりゃあ、自衛隊からクレームの電話もきますわねぇ。
こんな茶化すような歌詞を作ったら。
いやそれが…この歌を自衛隊で正式に採用させてくれというお願いの電話だった。
作者としては皮肉・風刺のつもりで歌ったんだが。
自衛隊って一体・・・
つまり自衛隊の中の人にとって、ソ連や中国は悪い国なんでつね。
そりゃまぁ、仮想敵国だからな。
かそーてきこく?
・・・ かそう-てきこく 【仮想敵国】 国防計画を立てる際に、仮に敵とみなす国。
by大辞林 ・・・
よーするに、「戦争がおこるとしたら相手はこいつだろ、たぶん」でつ。
そんなこと言わずに、仲良くするのが大事だと思うんだけどなぁ。
別に仮想敵国だからといって『戦争しろ』というわけではないぞ。
平和につきあえるのならそれに越したことは無い。
ご近所様と付き合うのは大事だが、玄関のカギぐらい閉めておけということだ。
・・・ご近所が前科持ちなら、なおさらです・・・
こっちに戦う気は無くても、向こうが攻めてきたらどうするのだ?
挙句のはてに、こういう馬鹿げたことを言い出すアホが出る始末。
日本共産党 「しんぶん赤旗」 2005年6月10日
日本共産党の上田耕一郎副委員長(党憲法改悪反対闘争本部長)は九日、京都市北区の立命館大学で講演し、憲法九条が日米安保条約によってゆがめられていることを詳しく話し、憲法を守る大きな運動をよびかけました。(中略)
会場からの「攻められたらどう守るのか」との質問に、非同盟諸国の広がりを述べ「(日本が)攻める危険はあるが、日本を攻める国はない」と強調。自衛隊も、日本国民が不要と合意できる時代がくると述べました。
まぁ憲法改正の是非は政治の領域だから、賛否両論でかまわん。
だが「日本を攻める国はない」もなにも、北方領土はロシアに、竹島は韓国に現在進行形で侵略されているんだがな。
私は地球の歴史はよく知りませんが、祖国防衛を蔑視するなんて考えられませんわ。
ミルフィーユさん、なんで貴女の国はこういう無知&平和ボケ炸裂な意見が普通に出るのですか?
平和ボケとか言われても・・・・学校で「戦争は悲惨です、平和が大切です」と教わったもん。
平和教育が大切なのは当然だ。
しかし「いつどんな戦争が起こったのか、何人死んだのか」は教えても、どういう背景・経緯で戦争になったのかはロクに教えない。
悲しいかな、それが日本の戦後歴史教育だ。
とくに近・現代史になるほどその傾向が強い。
戦争にいたる背景・経緯を学べ――フォルテさんはそう言いたいのですか?
ja.
歴史を学べばいかに平和に役立つか、過去の人間はこう言っている。
「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。」 マキャベリ
よーするに『どうして戦争になったのかを知れば、それを避けることができる』と言いたいわけでつね、この青白い引篭もりニートみたいなオッサンは。
人類史に残る偉大な政治学者マキャベリに向かって、「青白い引篭もりニート」とは何事だ。
・・・・ってわけで、今日は19世紀のロシア史を説明する。
なんで19世紀ロシア???
日本の仮想敵国はソ連と中国、とさっき言っただろ?
ソ連は本家さまでやってるし、その前身のロシアでいく。
支那の歴史には、作者の興味が沸かないのでパス。
アメ公とも戦ってまつが。
そのうち誰かやるだろ今は完全に味方だからヤメ。
ロシア史は日本にとっても重要だぞ?
日本の明治時代にモロ影響しているし、19世紀ロシアの歴史は大陸国家 vs 海洋国家の闘争の歴史なので、島国である日本人にとっても学べる部分は多い。
さて、ロシア帝国の歴史ってどの程度知っている?
日露戦争で戦ったってこと程度しか。
ロシアが日本に本格的に関わってくるのは19世紀からだが、それまでのロシア史をチョー簡単に説明するか。
ロシアという国
… bP 「膨張時代」 …
13世紀から15世紀までのロシアは、「キプチャク・ハン(汗)」という国の属国だった。
「ハン(汗)」?
それってもしかして、モンゴル帝国を築いた「ジンギス・ハン(汗)」の「ハン(汗)」ですか?
その通り。 よーするにモンゴル帝国だ。
でも「キプチャク・ハン(汗)」なんて国は聞いたことも無いんだけど。
高校で世界史を取らない限り、普通の人はまず知らないだろうな。
ジンギス・ハン(汗)が築いたモンゴル帝国は、史上例にないほどの大帝国だった。
しかしデカすぎて1人では統治できない。
ちょっとデカすぎなモンゴル帝国
そこでモンゴル帝国の領土をいくつかに分割して、自分の親族に統治させた。
そのうちの1つが「キプチャク・ハン(汗)国」だよ。
よーするに、昔のロシアは世界最強のモンゴル帝国に支配されていたと理解できたらOKだ。
いくつかに分かれたモンゴル帝国
あ、「元」があるね。 私の国にも鎌倉時代に「元寇」で攻めてきたよね。
元寇というと、韓国の教科書では「日本征伐」と書かれているアレでつね?
日本の教科書には「進出ではなく侵略という言葉を使え!」と文句を言っていたクセに。
話がバラバラになるから、ここで韓国ネタはやめろ。
で、N●Kの特集ではやたらカッコよく放送されているモンゴル帝国だが・・・
彼らの征服方法は「抵抗したら、たとえ降伏しても虐殺し、下手な抵抗は破滅だと周辺国に理解させる」というものです。・・・・
ちがう意味でカッコいいですわね。
日本は海のおかげで撃退できたが、陸続きのロシアは悲惨だった。
キプチャク・ハン国の支配下では莫大な貢税を納めさせられ、この圧政は「タタールのくびき」と呼ばれている。
他サイトからちょいと引用しようか。
「タタールのくびき」 http://www.bunkyo.ac.jp/~natasha/russia/tatar_01.htm
モンゴル軍はこのリャザーン公国を撃破したのちに、1239年までにヴラヂーミル・スーズダリ公国を中心とする北東ロシア地方を、1240年までにキーエフを中心とする南西ロシア地方を軍事的に征服した。
数年後にローマ教皇の使節としてモンゴル帝国の首都カラコルムに派遣されたプラーノ・カルピニは占領されたキーエフの町の様子について「わたしどもが旅行の途中にその土地を通ったさい、死者の頭蓋骨と骨とが数え切れぬほど地面に散らばっているのに出くわしました。キーエフは以前は非常に大きく人口過密な町だったのですが、いまではほとんど無に帰してしまいました。こう申しますのは、今日ではそこの人家はせいぜい200戸あるかないかで、住民は全くの奴隷状態におちいっているからです」と報告していることからもわかるように、モンゴル軍の破壊はかなり徹底したものだった。
学校の歴史教科書では「欧米が世界中を植民地にして圧政を敷いた」と教えているが、征服・虐殺・搾取は白人の専売特許では断じてない。
そんなモンゴルによる259年間にもおよぶ搾取・圧政は、ロシア人の精神に暗い影を落としていった・・・・
所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ。
※某少年漫画の敵キャラとは何の関係もありません
ロシアやソ連の『人権?平和?なにそれ』という暴力的な支配は、かって自分たちを暴力的に支配したモンゴル帝国の影響とも言われている。
お前は選ばれし国だったのに!
若きロシアは暗黒面に堕ちた。
・・・・ バカ ・・・・・
さてそんな悲惨なロシア人も、キプチャク・ハン国の力が衰えると1480年に『モスクワ大公国』として独立。
259年にわかるモンゴルの支配『タタールのくびき』から脱出する。
ちなみにこれがモスクワ大公国だ。
モスクワ大公国と15世紀後半の東欧
モスクワ大公国の周囲に「クリム・ハン(汗)公国」「カザン・ハン(汗)国」ってあるけど・・・・
「ハン(汗)」ってことは、これもモンゴル帝国だったの?
ああ、元々はキプチャク・ハン(汗)国の一部だったのが、内輪もめして別の国に独立したんだよ。
おかげでキプチャク・ハン国の国力は下がる一方だ。
そのおかげで、ロシアもモスクワ大公国として独立できたわけですね。
そーいうことだ。
さてモンゴルから独立したモスクワ大公国だが・・・・その後はポーランドやスウェーデンが横からチョッカイを出してきたこともあったが、なんとか撃退する。
あれ?
ポーランドって、たしかロシア・ソ連に侵略された被害者だったはずですわよ?
ロシアが弱かった時代は逆に侵略かましているし、 しかも「ロシア国内の政治的空白に乗じる」という卑劣な手法だ。
・・・で、それがどうかしたか?
いや、何でもないです。話を続けて下さいませ・・・・
そして200年ほどして1682年、「大帝」ピョートル1世の代からロシア帝国という名になる。
はい、これがピョートル1世が即位したときのロシアの領土な。
モスクワ大公国の独立から200年後、17世紀末のロシア領
ずいぶんと領土が広がっているね、「なんとかハン(汗)国」がみんな無くなってるし。
さっきの地図には「クリム・ハン(汗)」というのが黒海の北部にあったでしょう?
そこはオスマン・トルコ領になったのですか?
ああ、黒海北部のクリム・ハン(汗)はモスクワ大公国が独立するのとほぼ同時期に、オスマン・トルコの属国になった。
弱ったとはいえ、元々はモンゴル帝国の一部だったのを支配下に?
オスマン・トルコ帝国ってそんなに強いの?
15世紀から16世紀にかけてオスマン・トルコ帝国は世界最強だ。
世界史では、中世から世界最強の国を説明すると、以下の流れになる。
モンゴル帝国が最強
↓
次はオスマン・トルコ帝国が最強
アレ? 世界最強はヨーロッパ諸国じゃないの?
ヨーロッパが無敵になるのはもう少し後だよ。
昔のヨーロッパはモンゴル帝国に怯え、その次はイスラム勢力(オスマン・トルコ帝国)に怯え・・・
とまぁ、まるでダメダメだった。
オスマン・トルコ帝国は、絶頂期には今の東欧を支配下に治めていたからな。
「おい、東ヨーロッパがイスラムに侵略されちゃったぜ!」
「北アフリカも完全にやられたぞ!」
「次は俺たち西ヨーロッパが狙われるのか・・・誰か助けてくれー!」
とブルブル震える毎日だ。
絶頂期のオスマン・トルコ帝国(16世紀)
しかし16世紀末・・・
地中海でスペイン艦隊がオスマン・オルコ帝国の艦隊を撃破するという快挙を成しとげる。
これをレパントの海戦と呼ぶのだが・・・
この海戦に敗れて以来、オスマン・トルコ帝国は勢いを失い、かわって西ヨーロッパは世界最強に向けて勢いを増していくのだ。
モンゴル帝国が世界最強
↓
次はオスマン・トルコ帝国が世界最強
↓
そしてヨーロッパ勢力が世界最強に
さて話をロシアに戻そう。
独立して以来、もとはモンゴル帝国の領土だった場所を征服して着々と領土を広げていくロシア帝国だが・・・・
当時のヨーロッパは海外植民地で儲けてウハウハ♪
深刻な脅威だったオスマン・トルコ帝国も撃破できてウハウハ♪
するとロシアはこう考える。
↓ロシア
オレもヨーロッパ社会の一員になりたいクマ。
・・・というのがロシアの願いだ。
なにせ「ロシアって中央アジアだろ、だっせー」というのが当時の欧米の評価だったからな。
周辺国との闘争に勝ち残るためにも、国を近代化する必要があった。
あれ? 同じ白人だし文化だって似てるじゃないの。
ヨーロッパにとって、当時のロシアは未開のドイナカだ。
自分たちと同じヨーロッパ文化圏の一員とは思っていない。
Q:ロシアは欧米ですよね?
。 。
\\
え━━━━━━( Д ; )━━━━━━!!!
____ 、ミ川川川彡 /:::::::::::::::::::::::::""'''-ミ 彡 //, -‐―、:::::::::::::::::::::三 ギ そ 三 ___ 巛/ \::::::::::::::::三. ャ れ 三 _-=三三三ミミ、.//! l、:::::::::::::三 グ は 三 ==三= ̄ 《|ll|ニヽ l∠三,,`\\::三 で 三 / |||"''》 ''"└┴‐` `ヽ三 言 ひ 三 ! | / 三 っ ょ 三 |‐-、:::、∠三"` | ヽ= U 三. て っ 三 |"''》 ''"└┴` | ゝ―- 三 る と 三 | / ヽ "" ,. 三 の し 三 | ヽ= 、 U lヽ、___,,,...-‐''" 三 か て 三 . | ゝ―-'′ | |::::::::::::_,,,...-‐'"三 !? 三 ヽ "" ,. | | ̄ ̄ ̄ 彡 ミ ヽ、___,,,...-‐''" ,,..-'''~ 彡川川川ミ 厂| 厂‐'''~ 〇 | ̄\| / し! _ -── ‐- 、 , -─-、 -‐─_ノ ポ 欧 // ̄> ´  ̄  ̄ `ヽ Y , ´ ) 欧 え | 米 L_ / / ヽ 米 | ラ と / ' ' i !? ロ ン 呼 / / く シ ド べ l ,ィ/! / /l/!,l /厶, ア ま る i ,.lrH‐|'| /‐!-Lハ_ l /-!'|/l /`'メ、_iヽ が で の l | |_|_|_|/| / /__!__ |/!トi i/-- 、 レ!/ / ,-- レ、⌒Y⌒ヽ よ は _ゝ|/'/⌒ヽ ヽト、|/ '/ ̄`ヾ 、ヽト、N'/⌒ヾ ,イ ̄`ヾ,ノ! ね 「 l ′ 「1 /てヽ′| | | 「L! ' i'ひ} リ | ヽ | ヽ__U, 、ヽ シノ ノ! ! |ヽ_、ソ, ヾシ _ノ _ノ -┐ ,√ !  ̄ リ l !  ̄  ̄ 7/ レ'⌒ヽ/ ! | 〈 _人__人ノ_ i く //! 人_,、ノL_,iノ! /! ヽ r─‐- 、 「 L_ヽ r─‐- 、 u ノ/ / / lト、 \ ヽ, -‐┤ ノ キ 了\ ヽ, -‐┤ // ハ キ { / ヽ,ト、ヽ/!`hノ ) モ |/! 「ヽ, `ー /) _ ‐' ハ ャ ヽ/ r-、‐' // / |-‐ く | > / / `'//-‐、 / ハ ハ > /\\// / /ヽ_ ! イ ( / / // / `ァ-‐ ' ハ ハ / /! ヽ レ'/ ノ > ' ∠ -‐  ̄ノヽ / { i l ! / フ / -‐ / ̄/〉 〈 \ /! |
ボロクソな言われようですわね。
近代文明の中心地ヨーロッパからは離れているからな。
政略結婚でイギリスのお姫様をもらおうとしても、「あんな野蛮なド田舎に嫁ぐなんてイヤー!」と泣き出して破談になる始末。
当時のロシアの後進国っぷりを表しているエピソードを1つ挙げようか。
大帝ピョートル1世は、貴族たちに対して「お前らマナー悪いぞ」と言って、以下のエチケットを注文している。
人前でつばをはかないこと
音を立てて鼻をかまないこと
指で鼻くそをほじくらないこと
食後に手で口をぬぐわないこと
ナイフで歯の掃除をしないこと
食事中に豚のように口をならさないこと
※http://www.geocities.jp/timeway/kougi-67.htmlより
これが皇帝が貴族に求めたエチケット?
この頃のフランスは絶対王政のブルボン王朝で、ベルサイユ宮殿まで造っているというのに?
その宮殿で野グソしてたフランス人も、他人のことは笑えないがな。
で、当のピョートル1世はどうだったの?
貴族に注意するってことは、紳士的な王さまだったの?
似たようなレベルですが何か。
このピョートル1世はお茶目な皇帝陛下でな・・・
とにかく酒好きで「飲んだくれ省」を作って、大臣に飲み屋で知り合ったオッサンを任命したり、船が好きで、皇帝のくせして造船所に就職したりと、いろいろと笑える逸話が多い。
下の絵は、ピョートル1世がドイツの宮廷に招かれたときの様子だ。
うあ、なんかモメてる〜
皿が床で割れていますわね。コレ本当に皇帝が招かれた宮廷の食事?
・・・剣を抜こうとしているようにも見えますが、絵が小さすぎて断定できません・・・
で、大帝ピョートル1世はこう考えるわけだ。
こんなことではイカーン!
この国を近代化して、ヨーロッパのような先進国にして、追いつき追いこすクマー!
なんか日本の明治維新に似ていますわね。
外見から入るところまで似ている。
ロシアの近代化に必死なピョートル1世は、ロシア人に多く見られるフサフサのおヒゲを見て・・・
その「見るからにロシア人」っていうヒゲのせいで、「ロシアは後進国でしょ」とか「欧米じゃなくてアジアだろ?うわーダセーw」と馬鹿にされるんだクマー!
ヒゲはロシアの後進性の象徴だクマー!
この国からまずはヒゲを消し去るクマー!
で、国民にヒゲを切らせるためヒゲに税金をかけた。
これが有名なヒゲ税だ。
アホでつね。
ヒゲ税だけで判断するな。
これは「何がなんでもヨーロッパのような洗練された近代文明国にするぜ!」というピョートル1世の決意の表れだ。
彼はヒゲだけでなく、家臣や役人にロシア服でなく西欧の服を着るように義務付けている。
言われてみれば、日本でも明治維新ではチョンマゲを切っていますわね。
いくらなんでもヒゲ税で「大帝」なんて呼ばれない。
ピョートル大帝は国内の法整備をととのえて改革を図っている。
ピョートル1世の「ロシア近代化作戦」はもう1つある。
財閥のお嬢さんであるミントに聞こうかな。
お前が超ド田舎な国の王さまだったとして・・・・国を発展させるにはどうする?
他国と貿易しますわ。
とくに先進国と貿易できたら、自分の国のレベルも上がります。
その通りだな・・・・具体的に言うとヨーロッパとの貿易だ。
しかしさっきの地図をもう一度見てくれ。
ヨーロッパと貿易と言っても・・・・陸地だらけで海のルートがありませんわね。
陸のルートじゃダメなの??
ダメですね。
輸送コストを考えると、船で運んだ方が一度に大量の物を運べますわよ。
何よりも陸地のルートだと、最先端の西ヨーロッパと貿易できませんし。
ロシアが海洋に進出して貿易するには、ルートが2つあるな?
1つめはバルト海だが、ここはスウェーデンが邪魔だ。
2つめは黒海→地中海だが、ここはオスマン・トルコが邪魔だ。
北極海からスカンジナビア半島を迂回するルートじゃダメなの?
これならどこにも邪魔されないじゃない。
そのルートは北極で凍てつく海の難所、素人にはお勧めできない。
というわけで戦争だ。
ピョートル1世は、バルト海はオレのものじゃと、スウェーデンと戦争。
このスウェーデンとの闘争を北方戦争と呼ぶのだが・・・・
ロシアはスウェーデンをぶちのめし、バルト海への進出を果すことに成功した。
こうしてロシアは、念願だった西ヨーロッパとの貿易が出来るようになったのだ。
そ、そんな簡単な理由で戦争になるものなの?
イギリスだって、海の貿易ルートをめぐってオランダやスペインと戦争している。
海の貿易ルートの取り合いは、十分に戦争の理由になるから覚えておけ。
でも、この21世紀にはそんなことで戦争にならないよね?
・・・・ これだから平和ボケの国民は ・・・・
マラッカ海峡って知っているか?
どこ?
検索しろよバーカ。
少しは自分で調べなさいな。
・・・・・・
次からその程度は自力で調べろ、場所はココだ。
ページの下の方に絵があるだろ?
ここはアメリカや日本にとって重要な石油の輸入ルートだ。
しかしこのマラッカ海峡が、近年キナ臭くなってきた。
【 中国がマラッカ海峡に潜水艦基地 ―― 米紙 】 2005,5/19
戦略問題を報じている米ウェブ新聞「東アジアインテル・ドット・コム」が17日付で伝えたところによると、中国はマラッカ海峡に潜水艦基地を築き、中国沿岸から中東にいたるまでのシーレーン保護戦略を着々と進めているという。 一部外交筋が指摘したもので、インドネシア領の島に建設中、中国領域外では初めての中国海軍基地になるという。
中国のシーレーン保護戦略は「真珠の紐戦略」と呼ばれ、外交関係を築いているバングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、タイと南シナ海の拠点を結んだシーレーン保護を構築中であることは、米国防省の報告でも指摘されていた。
インドネシア領の島を潜水艦基地にするというのは、「真珠の紐戦略」が拡大されている証拠で、米情報筋はパキスタンのグダールにも海軍基地を建設中であると指摘している。
米情報筋によると、中国は新型の攻撃潜水艦093を開発中で、これは米空母を攻撃する能力を持つものだという。ロシア製潜水艦の高度技術を基にしたもので、水面下400メートルを時速10ノットという速度で運航できるため、米軍の対潜哨戒機からは察知されないとされている。米空母攻撃の際には、A型65魚雷を使用、低破壊力の核弾頭を搭載するものと分析されている。
中国潜水艦による攻撃は深夜、密かに行われ、米軍に気づかれずに実行する戦術。中国潜水艦が米空母に脅威を与えることになれば、中東および中東石油の輸送ルートが危険にさらされることになり、米国の政治的、軍事的影響力が大きく損なわれることは必至となる。
実際に中国の開発した潜水艦が米軍の空母に勝てるのか、マジで仕掛けてくるのかは別問題だが・・・・
海の貿易ルートをめぐる闘争が過去のものではないとわかったか?
日本は石油の9割を中東からの輸入に頼り、その石油タンカーの大半はマラッカ海峡を通航している。
決して他人事じゃないぞ?
・・・・・・・
さて話をロシア史に戻すか。
バルト海を通ってイギリスその他との貿易が可能なったロシアは、はぐれメタルの群れをドラゴラムでなぎ倒した時のように多くの経験地をゲットし、一気にレベルが上昇した。
ドラクエですか。
ピョートル1せいはスェーデンをたおした!
スウェーデンはたからばこをもっていた。
ピョートル1せいはたからばこをあけた。
たからばこにはバルトかいのつうこうチケットが入っていた。
ピョートル1せいはつうこうチケットをつかった。
ロシアはにしヨーロッパとのぼうえきができるようになった。
ロシアはレベルがあがった!(チャララチャッチャッチャー♪)
ロシアはレベルがあがった!(チャララチャッチャッチャー♪)
ロシアはレベルがあがった!(チャララチャッチャッチャー♪)
一方、南に向かっては黒海をよこせとオスマン・トルコ帝国と戦争
苦戦したが、何とか足がかりだけはゲットする。
下の地図を見てくれ、ピンクで塗ったところがピョートル1世の獲得領土だ。
チョビットだけじゃないですか?
地図で見ると少しに見えるが、南北の海へ突破口を得たのは極めて大きい。
特に北方のバルト海では、バルト海の制海権を得た上にサンクト・ペテルブルグという都市を新たに建造し、ロシアの海洋進出の拠点となった。
この人工都市の建設ではおよそ1万人が命を落としたと言われているから、ピョートル大帝の海洋進出への執念が伺えるな。
上の地図を見たらわかると思うが、まさにバルト海への玄関口にあるだろ?
・・・ソ連時代には「レニングラード」という恥ずかしい名前に改名された都市ですね?・・・
このバルト海は、後にずっとロシアにとって重要な海となる。
日露戦争で日本にボロ負けしたバルチック艦隊も、バルト海の艦隊だしな。
・・・・・さて、40年ほど進んで・・・お次は性欲大魔神こと女帝エカチェリーナ2世だ。
せ、性欲大魔神って・・・・
確実に分かっているだけでも、12人の愛人と関係を持っている。
しかし噂には尾ひれがつき、後に彼女の役を演じる舞台女優が「エカチェリーナ2世は300人斬りを達成したらしい」と言い出す始末。
AV女優の長瀬愛でさえ20人なのにっ!(自称)
尾ひれのついた噂でしょっ!
…フェミニストの歴史家には、そういった伝説が生まれたのは「有能な女性の支配者に直面した男性社会の不安が原因だった」という意見もあるそうですが…
※「ロシア皇帝歴代誌」p177参照
女尊男卑なフェミの言うことなぞ真に受けるな 高貴なる御婦人のエロ話には、尾ひれをつけて楽しむのが庶民の文化だ。
ましてや有能&魅力的ときては、妄想するだけでハァハァ(;´Д`)でつね。
・・・さして美貌ではなかった、とも言われていますが・・・
女の魅力は、顔の造形だけでは決まらん。
クロード・カルロマン・ド・リュリエール(フランス大使館勤務)
その容姿からは気品がただよい、魅力にあふれている。歩く様子は威厳に満ち、立ち居ふるまいはきわめて優雅だ。(略)濃い茶色の眉と、明るい茶色の瞳は、魅いられそうな美しさだ
あの、まるで関係ない方向に話がとんでるんだけど・・・
すまん、話を戻す。
さて18世紀後半からエカチェリーナ2世の時代になると、ロシアの領土はさらに拡大だ。
ピンクで塗られた部分が、彼女によって拡大された領土だが・・・・
この地図を見てわかることを言ってみてくれ。
■…エカチェリーナ2世の時代に拡大されたロシア領
あら、オスマン・トルコ帝国の領土がチクチクと削られちゃってるね。
ピョートル1世のころは少ししか拡大できなかったのに。
その通り。
かっては世界最強を誇ったオスマン・トルコ帝国も、16世紀末にスペインに負けてからは落ち目だな。
17世紀末には、隣の国に遠征するも大失敗。
これがきっかけでオスマン・トルコ帝国は18世紀から下り坂になる。
特にロシア帝国はエカチェリーナ2世の時代になってから、弱り目なオスマン・トルコ帝国をボッコボコにブチのめし、どんどん領土を奪い取っていく。
・・・ 盛者必衰は世の理 ・・・
もう一つ気が付いて欲しい部分があるんだが。
もう一度さっきの地図を見てくれ。
あらま、よく見ると黒海の北部はロシアが支配してますわね。
その通り。
エカチェリーナ2世の功績は2つある。
1つはポーランドを併合し、西方へ大きく領土を拡大したこと。
もう1つは、オスマン・トルコと2度にわたる戦争に勝ち、黒海北部を完全支配したことだ。
ただの性欲オバハンじゃなかったんでつね。
・・・ピョートル1世と同じく、エカチェリーナ2世は「大帝」の名で呼ばれるほどです・・・
さて、ピョートル1世によってバルト海の制海権をゲットし、女帝エカチェリーナ2世によって黒海への進出を果たしたロシア帝国だったが・・・・・
そんなロシアにも、まだ悩みはあった。
冬でも凍らない港が欲しいクマー・・・・
バルト海は、厳冬期には港が凍りついて使えなくなるからな。
黒海は? いくらなんでも、黒海は冬に凍ったりしないでしょう?
たしかに黒海の港は冬でも凍らないが、下の地図をよーく見てくれ。
これは女帝エカチェリーナ2世の孫であるニコライ1世が皇帝の時のものだ。
・・・ ニコライ1世の頃というと、もう19世紀ですね ・・・・
19世紀中ごろのロシアとオスマン・トルコ
■ ロシア帝国領 ■ オスマン・トルコ帝国領
あのぉー・・・・たしかに黒海の港は冬でも凍らないので便利でしょうが・・・・
だけど地中海に出られないから意味ナッシングではありませんか?
これじゃあ黒海でお魚さんを取るぐらいしか出来ませんわ。
ロシアの希望は、「冬でも凍らない港で1年中貿易がしたいなぁー」なんでしょう?
※ウクライナ地方で取れる穀物を輸出できるというのも大きい。
なんで? 黒海と地中海はつながっているはずだよ?
何を寝ぼけたことを言っているのですか?
黒海から地中海に出るボスポラス海峡・ダーダネルス海峡は、オスマン・トルコのものですわよ。
だったらブチ殺して奪い取ればいいだろ?
というわけで戦争だ。
19世紀中ごろ、ロシア皇帝ニコライ1世は地中海に抜けるルートをよこせとオスマン・トルコ帝国と戦争。
この戦争を、戦場になったクリミア半島の名前を取ってクリミア戦争と呼ぶ。
ロシアって・・・・ロシアって・・・・
さて・・・ここから先は、他の欧米列強も干渉してくるので少々話が長くなる。
ってわけで、次回に続くぞ。