ここから本文エリア 再開発街区の一部取得 計画公表の2年前2008年02月22日
前橋市が再開発計画を進めている同市千代田町の4番・8番街区について、計画が公表される約2年前の05年3月、高木政夫市長(57)の甥(おい)が経営する市内の不動産会社が土地などの一部不動産を購入していたことが分かった。甥は、市長の実兄で国税当局に所得隠しを指摘された高木建設の元社長高木俊一氏の長男。高木市長は今後、活性化を目指して自ら再開発計画を主導する区域の一角を親族企業が先行取得した経緯に関して、詳しい説明を求められることになりそうだ。 問題の土地は、4番街区にあり、国道17号と県道の交差点付近の約677平方メートルの部分。不動産登記簿によれば、前の所有者の破産などで前橋地裁が04年9月に競売処理を決定したが、甥が05年3月、所有者から約1億円で購入したため競売は取り下げられた。 86年に始動した再開発計画の対象は当初、8番街区だけだった。バブル経済の崩壊を経た96年、百貨店の進出見送りなどを受け、市の負担を懸念した当時の萩原弥惣治市長が、計画を白紙撤回。その後も「子ども科学館」建設などの開発計画が持ち上がったが、具体化には至らなかった。 高木市長の下で04年11月に設立された民間有識者との会議(まちづくりにぎわい再生計画プロジェクトチーム)でも、8番街区のみを対象とした開発計画が検討されていた。 ところが、市長の甥が土地を購入してから2年後の07年1月に新たな再開発計画が公表された際は、対象区域が拡大。8番街区だけでなく4番街区も加えられた。 市まちづくり課によると、4番街区を加えた開発案は06年ごろまでに市役所内で浮上。同年秋までに地権者の同意を得て、翌07年2月、4番・8番街区の開発についての提案募集を始めた。 同課は、4番街区を加えた理由について「国道17号に面した4番街区を加えることで交通手段の連絡を良くし、スケールメリットを上げようと考えた」と説明している。 甥は21日、朝日新聞の取材に対して「純粋に利益の見込める不動産物件だから購入しただけ。(07年1月に公表された新たな)再開発計画とは一切関係ない」と話した。実際、テナントや駐車場の賃料などで月約130万円の利益が得られているという。 マイタウン群馬
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