岡山市の高谷茂男市長は22日開会した2月定例市議会の所信表明で、建て替えが焦点の市立市民病院(天瀬)について、現状のままでの建て替えについて困難との認識を強調、今後は岡山大と連携して公立病院の新たなモデルの構築を検討する意向を示した。この日提案した2008年度一般会計当初予算案に検討経費として120万円を盛り込んでいる。
市長は昨年6月策定の「都市ビジョン」に沿い、08年度の主要事業を説明する中で市民病院について言及。市の内部組織が今月14日に公表した報告書とほぼ同じ内容ながらも、自らの見解を述べた。
市民病院の現状については「他の病院と類似の医療を提供しながら(市の)一般会計から多額の繰り出しを受けており、現在のような機能のままで単純に建て替え、公的負担を続けることについて市民の理解を得ることは困難」との考えをあらためて示した。
しかし、政令市を目指す市の都市ビジョンで、都市の使命を「中四国をつなぐ総合福祉の拠点」と掲げたことなどを踏まえ、「医療・保健分野での広域圏の中核的存在である岡山大と連携を図ることにより、公立病院の在り方として全国に発信できるような21世紀型の新たなモデルの構築を検討していくことが必要」と述べ、報告書に盛り込んだ24時間365日の総合医療提供、予防医療の推進、研修医らの教育・育成などを検討する考えを明らかにした。