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「リコール社告」に統一基準 冒頭に事故の危険性明記
経済産業省は23日、欠陥製品の回収や修理を新聞紙上などで知らせる「リコール社告」について、企業によってばらつきがある記載内容を統一する基準案を固めた。事故の危険性を冒頭に明記するなど社告を消費者が分かりやすい形に改善する。
同省は25日にこの案を決定、6月にも日本工業規格(JIS)の新基準として公示し、メーカー各社に活用を促す。回収が多い食品業界にも農林水産省を通じて積極利用を呼び掛ける。
社告の手段については「企業のホームページだけでは不十分」と指摘、インターネットに不慣れな高齢者などに配慮し、新聞や雑誌などさまざまな媒体を使うよう要請。全国くまなく情報を行き渡らせるため「全国紙だけでなく地方紙も活用することが望ましい」との原則を示した。
経産省の集計では、製品事故の多発で、昨年の電気製品などの自主回収は194件と過去最多を記録。リコール社告も増えたが、内容が分かりにくかったり、重要情報が欠けている社告も目立ち、同省は回収が遅れる一因となっているとみている。
基準案では、社告に盛り込む要素として事故内容や原因などを例示し、具体的なひな型も示した。タイトルは、内容が分かりにくい「お願い」や「謹告」でなく、「リコール社告」などと簡潔に表現し、冒頭部分で社名と商品名、「発火の恐れ」など事故の危険性を太字で強調。製品の不良個所は写真やイラストで示し、使用を中止すべきかどうかなど消費者の対応も明記する。メーカーのおわびや経緯説明は後回しにするよう求めた。
経産省は主婦連合会などと昨年12月から基準案を議論。JIS関連の審議会の承認を経て公示する。JISは法的強制力はないが企業の共通規格として定着し、今回の基準案作りは各業界団体も参加していることから、経産省は幅広い企業が活用するとみている。