アンカラ――トルコ軍が21日夜から開始した、非合法武装組織クルド労働者党(PKK)の拠点があるイラク北部への越境軍事作戦で、トルコ軍当局者は22日、交戦で兵士5人、PKK戦闘員24人が死亡したと述べた。AP通信が報じた。
また、砲撃や武装ヘリコプターの攻撃でPKK側に少なくとも20人の死者が出たとも報告した。同日現在、武装衝突は続いているとしている。
これより前、PKKの報道担当は、国境周辺の戦闘でトルコ軍兵士2人が死亡、8人が負傷したと発表していた。自軍の被害程度には触れなかった。
イラク駐留米軍もトルコ軍の越境攻撃、PKKとの交戦を確認した。偵察衛星、無人偵察機、警戒機などで情報収集している。米国は今回の攻撃を事実上容認しているが、民間人犠牲者を抑えるなどの自制を求めているとみられる。
トルコの地元テレビは越境攻撃のトルコ軍は約1万人規模で、イラク側へ約10キロ入ったなどと報じた。
昨年末以降のトルコ軍の越境攻撃では最大規模ともなる。軍のウェブサイトは、PKK拠点の掃討など作戦目標が完遂されれば速やかに撤退するとの軍首脳の発言を伝えた。