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【ギョーザ農薬混入】

袋外から浸透あり得ず 科警研実験、警察庁見解 中国で混入確定的に

2008年2月23日

 中国製ギョーザ中毒事件で、警察庁は22日、冷凍ギョーザに含まれていた有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が袋の外側から浸透することはあり得ず、いったん開封した袋を再密封した可能性も低いとの見解を明らかにした。科学警察研究所(科警研)などで実験を行った結果で、警察庁は殺虫剤が中国で混入されたのは確定的とみている。

 警察庁は、中国公安省との情報交換会議でこうした事実を伝えたが、25日に安藤隆春次長が訪中して行う警察首脳級会談でも指摘し、中国国内での捜査徹底を求める方針。

 警察庁で21、22の両日に開かれた会議で、中国公安省刑事偵査局は「日本で混入された可能性が低いというには時期尚早」と主張。天洋食品の従業員数や生産品目など工場の状況に関しての説明も行った。

 警察庁は中国公安省と情報交換する際の窓口設置も提案したという。

 関係者によると、科警研は、メタミドホスが検出されたギョーザが入っていたものと同じ袋を入手。国内で流通する純度の高い試験薬のメタミドホスを、一般的に農薬に使われている溶剤に溶かして袋の外側から染み込ませる実験をしたが、内側ににじみ出たものは1つもなかったという。

 また、何者かが日本国内の流通過程でギョーザを抜き取り、袋を開けて殺虫剤を混入し再度密封させた可能性も指摘されていたが、科警研での実験の結果では、再密封は接着面が不均一で、一見して不自然になることが判明。「問題の袋には再密封の形跡は認められない」と結論付けた。

 

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