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レーダーの探知感度、的確に調整? イージス艦衝突事故 (1/2ページ)
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千葉県・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、あたご艦橋の水上レーダーが小型漁船を的確に探知できる感度に調整されていたかが、事故原因究明のカギの一つになっている。
防衛省や海保などは、事故時にあたごのレーダーは正常に機能していたとしているが、訓練時に保存されるレーダー記録が残っていないため、レーダーが適正な感度に調整されていたのかどうかは、現段階では分からないという。
海自によると、水上レーダーは「感度を下げると陸地の映りが悪くなり、逆に上げると海面の波(海面反射)までとらえて小型船舶などが判明しづらくなる」ことから、STC(感度時間調整)と呼ばれる装置で電波の強さや範囲を調整している。
通常は電測員が状況に応じてSTCとレーダーの感度を調整しながら海上の状況をレーダー画面に反映させているという。
海自では、昨年12月に自殺した護衛艦「はたかぜ」の電測員(海士長)が残した書類の中で「当直の勤務につく度にレーダー画面が異常な状態だった。故意になされたもので恐るべきことだった」とし、一種のいじめにあっていたことを告発していた。
この書類は、家族が弁護士を通じて「事実関係の調査依頼」のため海自に送付、吉川栄司海上幕僚長は今月5日の会見で「事実を確認している」と調査していることを認めた。