海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、衝突直前に交代した、前の当直グループが清徳丸を含む漁船団をレーダーなどで把握していたとみられることが23日、第3管区海上保安本部などの調べで分かった。
3管本部の調べなどでは、あたごの当直員は、衝突直前の19日午前3時50分ごろから4時までの間に、艦橋の10人と戦闘指揮所(CIC)の7人など計26人全員が入れ替わっていた。
これまで防衛省は、衝突12分前の午前3時55分に、初めて交代後の見張り隊員が清徳丸の灯火を視認したと説明。これに対し清徳丸の僚船側は衝突の約35分前の午前3時半ごろ、約11キロの距離で漁船のレーダーにあたごが映っており「イージス艦のレーダーにも漁船が映っていたはず」と反論し、両者の主張が食い違っていた。
その後の調べなどで、交代前のグループの当直士官らが、清徳丸を含む漁船団が近づいてくるのをレーダーで把握していたとみられることが判明。3管本部は、継続して漁船団の動きに注意を払い、後のグループへの引き継ぎで注意喚起するなどしていたかどうかなどについて隊員らから詳しく事情を聴いている。