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【皇太子さま誕生日】伝えられぬ“帝王学”長官発言の裏に陛下のご苦悩 (1/2ページ)
家族内の事柄ですので−。御所訪問の回数をめぐり宮内庁長官から“苦言”を受けた皇太子さまは、48歳の誕生日を控えた記者会見でも、訪問機会が増えない理由には沈黙を貫かれた。異例だった長官発言。天皇としての在り方を、自らの後継者に伝えられないという天皇陛下のご苦悩が、その背景にあるという。
国の問題
「家族の問題と思うこと自体間違っている。陛下のご心配はそんなレベルではない」。会見の様子が伝わると天皇、皇后両陛下の側近たちは口をそろえた。「単に孫にお会いになりたいということではなく、国の問題だ」
陛下は皇太子時代、ほぼ毎週御所を訪れ、昭和天皇との折々の会話の中から、象徴天皇としてあるべき姿の“帝王学”を学ばれたという。「長官も侍従長も教えられない、父から子への伝承。こればかりは来ていただかなくてはどうしようもない」と古参の側近。
別の側近も「今、陛下からうかがっておかないと皇太子ご自身がお困りになることがある。陛下ももうあのお年。いつまでも時間がおありになるわけではない」と陛下のご心情をおもんばかる。
あうんの呼吸
昨年の会見で「機会をつくりたい」と述べられた皇太子さまだったが、そのご動向に変化はなかった。
「『やる』と言われたことをやらないのが一番お嫌い」(側近)とされる天皇陛下。それを引き取るかのように、羽毛田信吾長官は御所訪問を皇太子さまにご進言した際、「ご自分の言葉を大切になさってほしい」と言上した。
さらに東宮(皇太子家)では雅子さまが昨年8月の終戦記念日に子供会を開いたり、今年の新年祝賀の儀を途中欠席した後、両親の小和田夫妻と東宮御所で食事をされたりしたことがあった。
陛下は終戦記念日や原爆記念日などを「4つの忘れてはならない日」として特に大切にされている。ある関係者は「この2つの出来事で東宮へのご不信は決定的になった」と指摘する。