■ 推敲とは?
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推敲って、聞いたことあります?
おそらく、文章を書き慣れてない方には耳慣れない言葉だと思います。
しかし、これが、文章を書く上で、
ひじょ〜〜〜〜〜〜〜に重要なモノなのですね。
これをやるのとやらないのとでは、文章のデキに雲泥の差がつきます。
推敲とは、詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。
簡単に言うと、
一度作った文章を悪いところがないか読み返して、修正することです。
文章を書き上げたときは誰でも、
書いたという達成感に酔って自分の文章が輝いて見えます。
苦労して生み出した作品は、
誰しも客観的視点を欠いた色眼鏡で見てしまうのです。
でも、数日して読み返してみると、
様々な荒に気づいて愕然とすることがあります。
それこそ、一昔前の文豪のように「うがー!」と叫んでびりびり引き裂いた上に、
足で何度も踏みつけたくなるような心境です(笑)。
どうして、このようなことが起きるのでしょうか?
それは、文章を書いているときは、誰でも夢中になっているからです。
夢中になっている状態では、
自分の生み出したモノを客観的に見ることができません。
それこそ、最高傑作に思えてしまいます。
しかし、時間が経ってから読み直すと、冷静になっているため、
粗に気づくことができるというわけです。
作者の視点ではなく、読者の視点で文章を読めるようになるということですね。
これは非常に大切なことです。
書き上げた文章は、後で必ず読みかえして推敲してみてください。
日をおいて読み返したとき、恐るべきほどに自分の弱点が見えてきます。
これから目を反らさず、きちんと向き合って1つずつ潰していきましょう。
■ 推敲の方法
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推敲の基本は、時間をおいて文章を読み直すことです。
だいたい、1日ほど時間を置いて自分の作った文章を読んでみましょう。
すると、最初に書いたときには気づかなかった粗に気づきます。
そしたら、その都度、不自然な点やおかしな点を修正しましょう。
これを、最低3回以上繰り返せば、自然と作品が洗練されます。
具体的に注意すべき点を上げてみましょう。
・基本的な誤字・脱字を潰す。
・物語の流れ的に違和感が無いかを調べる。
・何度も同じ比喩、おなじ語彙を使い回していないか注意する。
・体言止は効果的に使えているかチェックする。
・1つのセンテンスが無駄に長くなっていないか調べる。
長くなっていたら、2つに分けられないか考える。
・代名詞が効果的に機能しているか調べる。
・句読点の打つ場所は適切かチェックする。
・『の』が連続をして続いていないか注意する
・専門用語を使用している場合、うまく読者に説明できているか考える。
などなど、これらのチェックポイントは、
すべて当サイト内であげらていることです。
また推敲の方法としては、黙読して読み返す他に、
声に出して読む、『音読推敲法』があります。
声に出して読むことによって、
黙読では気づかなかった文章のリズムの悪さに気づきやすくなるのです。
ただ、1人でブツブツ言っていると、
怪しい人に見られるかも知れないので、
行う場合は自分1人の時をオススメします(笑)。
また、パソコンで文章を書く人が最近では圧倒的に多いです。
この際、注意して欲しいのは、パソコンのディスプレイに映った文章を読むのと、
紙面に載った文章を読むのとでは、印象がぜんぜん変わってくるということです。
パソコン画面上では見落としていた文章の粗に気づくこともあるので、
清書の段階になったら、印刷して読んでみるのも良いでしょう。
■ 究極の推敲法
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上で紹介した方法だけは、完全な読者視点を得ることはできません。
やはり、己の産みだした文章に接するときは、どうしても自分の思い入れ、
情熱といった不純物が紛れ込んでしまいます。
曇りガラスを透したように作品を見てしまうのです。
親は子を正確に評価することができません。
これでは、数々の欠点を見過ごしたまま作品を発表してしまうことになってしまいます。
躾の成っていない我が子を社会に放り出すようなものです。
では、どうしたらよいでしょうか?
究極の推敲法は、他人に読んでもらって意見を聞くことです。
そうすれば自分では気づかなかったことに、気づかせてもらえます。
ときには批判という言葉のボディーブローで、
めった打ちにされることがあるかもしれませんか、
自分の欠点を知ることは上達には欠かせない要素です。
家族や友人、恋人といった人に書いた文章の批評をお願いしましょう。
例をひとつ上げます。
第17回サントリーミステリー大賞に受賞して作家デビューした垣根涼介さんは、
受賞作『午前三時のルースター』の執筆にあたったとき、
友人3人に作品を読んでもらって、感想をもらったそうです。
「ここはこういう表現じゃないだろう」
「普通、ここはこういう言い方はしないだろう」と、
原稿が真っ赤に埋まるくらいの大量の批評をもらい、
それをすべて修正して精度を高めていったそうです。
3人のうち1人でも、おかしい、ダメ、といったら手直しする。
他人がダメと言ったら、自分がどんなに良いと思っても、それは思いこみでしかない。
という妥協しない姿勢が受賞に結びついたと語っています。
文章とは他人に読ませるために書くモノですから、
他人に読んでもらうことを恥ずかしがってはいけません。
でも、その際の人選はくれぐれも慎重に。
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