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客観的視点で、自分の小説を読む 推敲の方法 究極の推敲術 プロ作家は推敲していない!? 関連情報・第4研究室 『推敲・見直しについての悩み』 |
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客観的視点で、自分の小説を読む
推敲って、聞いたことあります? おそらく、初心者の方には耳慣れない言葉だと思います。 しかし、これが、小説を書く上で、ひじょ〜〜〜〜〜〜〜に重要なモノなのですね。 これをやるのとやらないのとでは、作品のデキに雲泥の差がつきます。 推敲とは、詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。 簡単に言うと、 一度作った文章を悪いところがないか読み返して、修正することです。 小説を書き上げたときは誰でも、書いたという達成感に酔って自分の作品が輝いて見えます。 苦労して生み出した物語は、誰しも客観的視点を欠いた色眼鏡で見てしまうのです。 でも、数日して読み返してみると、赤面するほど下手、 つまらないということに気づいて愕然とすることがあります。 それこそ、一昔前の文豪のように「うがー!」と叫んでびりびり引き裂いた上に、 足で何度も踏みつけたくなるような心境です(笑)。 どうして、このようなことが起きるのでしょうか? それは、小説を書いているときは、誰でも夢中になっているからです。 夢中になっている状態では、自分の作品を客観的に見ることができません。 それこそ、最高傑作に思えてしまいます。 しかし、時間が経ってから読み直すと、冷静になっているため、粗に気づくことができるというわけです。 作者の視点ではなく、読者の視点で作品を読めるようになるということですね。 これは非常に大切なことです。 書き上げた小説は、そのままネットにアップしたりせずに後で必ず読みかえして、推敲してみてください。 日をおいて読み返したとき、恐るべきほどに自分の弱点が見えてきます。 これから目を反らさず、きちんと向き合って1つずつ潰していきましょう。 小説を作ることは、自分との戦いです。 特に、誤字脱字があってはいけませんから、これだけは確実に見つけて直すようにしましょう。 ▲ページの先頭へ |
推敲の方法
具体的な推敲の方法や注意点について解説したいと思います。 推敲の基本は、時間をおいて作品を読み直すことです。 だいたい、1日ほど時間を置いて自分の作った小説を読んでみましょう。 すると、最初に書いたときには気づかなかった粗に気づきます。 そしたら、その都度、不自然な点やおかしな点を修正しましょう。 これを、最低3回以上繰り返せば、自然と作品が洗練されます。 具体的に注意すべき点を上げてみましょう。 ・基本的な誤字・脱字を潰す。 ・物語の流れ的に違和感が無いかを調べる。 ・何度も同じ比喩、おなじ語彙を使い回していないか注意する。 ・体言止は効果的に使えているかチェックする。 ・1つのセンテンスが無駄に長くなっていないか調べる。 長くなっていたら、2つに分けられないか考える。 ・代名詞が効果的に機能しているか調べる。 ・句読点の打つ場所は適切かチェックする。 ・『の』が連続をして続いていないか注意する ・専門用語を使用している場合、うまく読者に説明できているか考える。 これらのチェックポイントは、第2研究室の 「基本的な文章作法」と「文章力を付けるためには?」で具体的に解説しています。 未読の方は、こちらを参照にしてみてください。 また推敲の方法としては、黙読して読み返す他に、声に出して読む、『音読推敲法』があります。 声に出して読むことによって、黙読では気づかなかった文章のリズムの悪さに気づきやすくなるのです。 ただ、1人でブツブツ言っていると、怪しい人に見られるかも知れないので、 行う場合は自分1人の時をオススメします(笑)。 また、パソコンで小説を書く人が最近では圧倒的に多いです。 この際、注意して欲しいのは、パソコンのディスプレイに映った文章を読むのと、 紙面に載った文章を読むのとでは、印象がぜんぜん変わってくるということです。 パソコン画面上では見落としていた文章の粗に気づくこともあるので、 清書の段階になったら、印刷して読んでみるのも良いでしょう。 ▲ページの先頭へ |
究極の推敲術
上で紹介した方法だけは、完全な読者視点を得ることはできません。 やはり、己の産みだした作品に接するときは、どうしても自分の思い入れ、 情熱といった不純物が紛れ込んでしまいます。 曇りガラスを透したように作品を見てしまうのです。 親は子を正確に評価することができません。 これでは、数々の欠点を見過ごしたまま作品を発表してしまうことになってしまいます。 躾の成っていない我が子を社会に放り出すようなものです。 では、どうしたらよいでしょうか? 究極の推敲法は、他人に読んでもらって意見を聞くことです。 そうすれば自分では気づかなかったことに、気づかせてもらえます。 ときには批判という言葉のボディーブローでめった打ちにされることがあるかもしれませんか、 自分の欠点を知ることは上達には欠かせない要素です。 でも、自分のWebサイトに作品を公開して、 読者から感想をもらうという方法はオススメできません。 なぜなら、素人の小説に感想を書いてくれるような奇特な人など希だし、もしいたとしても、 オブラートに包んだ毒を抜いた感想であることが圧倒的だからです(小説サイト経験者・談)。 『渡る世間に鬼は無い』みんな、あなたのことを気遣って、 あなたを傷つけるようなことは避けるでしょう。 批評してもらうなら、近くの人間、家族や親友、恋人といった人にお願いしましょう。 できるなら、小説を読むのが好きな人がいいですね。 プロの作品を浴びるように読んでいる人は、それだけ濃い意見を言ってくれます。 当サイトの鍛錬投稿室に投稿されても良いですよ(注・投稿規定熟読の上)。 例をひとつ上げてみましょう。 第17回サントリーミステリー大賞に受賞して作家デビューした垣根涼介さんは、 受賞作『午前三時のルースター』の執筆にあたったとき、 友人3人に作品を読んでもらって、感想をもらったそうです。 そして「ここはこういう表現じゃないだろう」「普通、ここはこういう言い方はしないだろう」と、 原稿が真っ赤に埋まるくらいの大量の批評をもらい、 それをすべて修正して精度を高めていったそうです。 3人のうち1人でも、おかしい、ダメ、といったら手直しする。 他人がダメと言ったら、自分がどんなに良いと思っても、それは思いこみでしかない。 という妥協しない姿勢が受賞に結びついたと語っています。 小説とは他人に読ませるために書くモノですから、 他人に読んでもらうことを恥ずかしがってはいけません。 作品の中には自分の趣味や考え方といった内面がモロに反映されてしまうので、 カミングアウトすることに抵抗を持つ人も多いと思いますが、 これも1つの壁と思って乗り越えてみましょう。 でも、その際の人選はくれぐれも慎重に。 ちなみに私は、弟と妹に小説を読んでもらって批評を受けています。 ▲ページの先頭へ |
プロ作家は推敲していない!?
手の平を返すようですみませんが、このような話を聞きました。 プロの小説家やライターは、推敲にはあまり時間をかけず、 やるとしても1、2回で終わりにするそうです。 気の済むまで推敲を繰り返させばならない素人のスタンスとは正反対の手法。 初めは、ほんとうにそれで良いのか!? と耳を疑いました。 でもこれには理由があるのです。 プロの人たちは、原稿料をもらえなければご飯が食べられませんから、 とにかく大量の文章を書く必要があります。 それに、ぱっと閃いたネタは、その時にはおもしろいと思っても、 次の日にはおもしろいと思わなくなっているかも知れないのです。 人間とは不思議なモノで、一日経って意識が切り替わると、 ある対象に対して昨日までとは全く別の感情を抱くことがあります。 旅先のお土産屋さんで見つけて買ったお菓子が、家に帰って家族と食べようとすると、 あまり美味しそうには思えないことがありまえんか? でも、買おうとしたときには美味しそうに見えたことも事実なのです。 これはどちらが正しいということではなく、 その時の気分によって、見え方が変わってしまったにすぎません。 だから、おもしろいと思うネタを閃いたら、すぐさま形にして見直さないという手法があります。 見直すと、おもしろくないと思って消してしまうかもしれないからです。 こんな話があります。 外国のエピソードですが、ある人が小説を書き上げたのだけれども、 できが気に入らず、引き出しにしまってしまいました。 それを何年か経って発見し、読み直したら、悪くないように思い、出版社に送りました。 そしたら、出版が決まりベストセラーになったというのです。 自分がおもしろくないと感じても逆に、他人に評価される場合があります。 だから、プロの人たちはあまり推敲をせずに、 どんどんアイディアを形にしていく手法を取るのです。 もし、それが本当につまらなかったら編集者から待ったがかかるので、安心です。 ただし、これは文章技術が完成されたプロだからできる技。 まだ文章力が未熟な人が、 この手法を安易にマネすると駄文を大量生産することにつながります。 素人は絶対にマネしないでください。 関連情報・第4研究室 『推敲・見直しについての悩み』 |
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