憲法を歩く 施行60年
第4部は「貧困と労働」の現場ルポ
【社会】全4工場長認識 匿名通報後も販売 JR東海子会社 新幹線駅弁の期限偽装2008年2月23日 朝刊
JR東海の子会社ジェイアール東海パッセンジャーズ(東京)は二十二日、消費期限を意図的に遅らせて偽装した駅弁やサンドイッチ、おにぎりなど一日分約一万五千九百食を東海道新幹線の車内などで販売したと発表した。 社内規定で製造開始から十四−十八時間以内と決められている消費期限を、最大で五時間四十分過ぎた弁当もあった。健康被害の報告はないという。新幹線車内のほか、東京−新大阪間の各駅などで売られていた。 大阪市保健所と大阪府茨木保健所が二十二日夜、大阪市と摂津市の工場にそれぞれ食品衛生法に基づき立ち入り検査し、工場長らから事情を聴いた。 農林水産省も日本農林規格(JAS)法違反の疑いもあるとみて調査する方針。 同社のお客さま相談室に二十一日に匿名の通報があり、内部調査で偽装が判明したが、同日中は商品を回収せず販売を続けていた。不正は一年以上前からほぼ毎日恒常的に続けていたとみられる。 駅弁などは、大阪の二工場のほか、東京都江東区、名古屋市の計四工場で製造。工場長四人全員が不正を認識していたという。 工場側の説明では、注文が多い時に製造開始時間を早めたのに、通常通りの時間に製造したと偽装して消費期限を表示。例えば、消費期限が午後七時の弁当は、午前五時以降に作る必要があるのに、午前一時から作っていたケースがあった。 四工場の製造数は一日平均で約五万食、弁当は約六十種類、サンドイッチは九種類。二十二日以降は製造開始時間を厳守するよう工場に指示したため、供給数は一時的に減少するという。 同社の建守猛社長らは二十二日夜、記者会見し「お客さまにおわびします。いつから不正が始まったのか、これから調査したい」と頭を下げた。 二十一日製造の弁当などを回収しなかったことについては「三〇度で十八時間経過しても細菌が基準値以内の商品を販売しているので、食べても被害はないと思った」と説明した。
|