鯵ケ沢町立中央病院で常勤内科医が1人減ったことに関し、県は21日、「国の緊急臨時的医師派遣要請の準備も含めて検討している」と述べ、同病院からの要請があれば来月開催の医療対策協議会で検討する方針を明らかにした。病院側は「(要請の)準備はしているが、できればそれ以外の方法で医師を確保したい」とし、関係機関への働き掛けなどに力を尽くす考えを示した。

 同病院は1月から3人いた常勤内科医が2人になった。
 同日の県議会環境厚生常任委員会で、安藤晴美委員(共産)が県の対応について質問。県側は「同病院はへき地医療拠点病院に指定されており、重要な役割を期待している」と状況を憂慮、町に助言や情報提供するとともに、国への緊急臨時的医師派遣要請も含め、あらゆる可能性を検討している―と述べた。
 国の緊急臨時的医師派遣では、都道府県が病院開設者からの派遣要請に基づき、医療対策協議会での検討・決定を踏まえて要請。要請を受けた国が地域医療支援中央会議幹事会などで検討、緊急度や優先順位を決め、全国の大規模病院などから医師を派遣するシステム。派遣期間は原則6カ月以内となっている。
 同病院は、現時点で国への緊急医師派遣要請も視野にあることを認めたが、「(6カ月の派遣では)つなぎにしかならない。弘前大学や県に医師派遣してもらえる態勢づくりをお願いしている」と述べ、国への要請以前に、同病院としてできる限りの努力を続ける姿勢を示した。