関西大学社会学部の木村洋二教授が、人が笑ったときの面白さの度合いを数値化する「笑い測定機」を開発したと二十一日付の本紙に紹介されていた。
人が笑うと横隔膜が振動する。その際の筋肉に生じた電気信号を胸などにつけたセンサーで検出する仕組みだ。笑いの度合いは独自の単位「aH(アッハ)」に変換して表示するという。大学で行われた公開実験では吉本興業の漫才コンビ「りあるキッズ」が被験者にギャグを連発した。
緊張のためか大人の女性二人は、ほほ笑みを浮かべただけで、ほとんど反応はなく数値は1アッハと0アッハだった。しかし五歳の女の子はくすくすと笑い続け、42アッハを記録し、測定機の有効性を示したという。
日本笑い学会副会長の昇幹夫医師によると、笑いと健康には関係がある。吉本興業の劇場で三時間大笑いすると、がん細胞を退治するリンパ球のナチュラルキラー細胞の活性が高まる。別の実験でも、糖尿病患者の食後の血糖値が下がった。
笑い測定機で笑いを正確に計測できれば、笑いと健康の関係を数値化して示すことが可能となろう。木村教授は「よく笑う人は長生きするなどの説を笑い測定機で確かめたい」と意気込んでいる。
木村教授の持論では、笑いが人間を進化させてきた。笑いは人を幸せにもする。ストレスから解放されるため、もっと笑いたい。