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緒方被告が主導 朝鮮総連中央本部詐欺事件初公判 (1/2ページ)
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元信託銀行員、河江浩司被告(43)の初公判が8日、東京地裁(合田悦三裁判長)で開かれた。河江被告は「だまし取るつもりはなく、共謀もなかった」と起訴事実を否認した。朝鮮総連中央本部をめぐる詐欺事件の公判は初めて。
ともに起訴された元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)被告(73)と元不動産会社社長、満井忠男被告(74)は審理が分離され、公判前整理手続き中だが、いずれも無罪主張する方針。
検察側は冒頭陳述で、緒方被告が満井被告と共謀して東京・六本木のビル地上げ資金を得るため、自身の社会的信用を利用して事件を主導したとする構図を詳述した。
緒方被告らは昨年4月、総連側から中央本部の土地建物の買い取りを依頼された際、購入資金35億円を提供する投資家がいるように装い、中央本部の所有権を移転させ、転売しようと計画。
緒方被告らは総連側を信用させるため、河江被告に投資家を探すように指示。しかし見つからなかったため、「投資家から出資の約束を取り付けた」と総連側に虚偽報告をするように河江被告に指示した。
検察側は、緒方被告がこの際、河江被告に書かせた虚偽の報告書案に、文意を強調する「確定的」という文言を入れるなど具体的な修正をしたことなどを指摘、緒方被告が積極的に詐欺に関与していたことを明らかにした。