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残留孤児兵庫訴訟、原告側64人取り下げ 大阪高裁

2008.2.22 21:08
このニュースのトピックス民事訴訟

 永住帰国した中国残留孤児が国に損害賠償を求めて全国の15地裁に起こした集団訴訟で、1審で唯一勝訴した兵庫訴訟の控訴審口頭弁論が22日、大阪高裁(成田喜達裁判長)であった。昨年11月の改正帰国者支援法の成立を受けて、係争中の64人が訴えを取り下げ、訴訟が終結した。

 この日は取り下げに先立ち原告3人の意見陳述が行われ、原告団長の初田三雄さん(65)=兵庫県伊丹市=は「この訴訟と神戸地裁での勝訴がなければ新たな支援法は実現できなかった」と述べた。

 残留孤児の約9割に当たる約2200人が平成14年12月以降、国の支援策が不十分だったなどとして提訴。これまでに東京や大阪など8地裁で判決があったが、国に賠償を命じて原告が勝訴したのは18年12月の神戸地裁判決のみ。改正帰国者支援法の成立により、すでに東京高裁など6カ所の地・高裁で訴訟が取り下げられた。

 同法では、国民年金(老齢基礎年金)の加入期間が短い残留孤児にも、満額にあたる月額6万6000円(従来は月額2万2000円)の年金を支給。さらに生活保護に代わり、単身世帯で月額最大8万円の生活支援給付金の支給が盛り込まれている。

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