北京の合弁企業で働く日本人の知人が「思わぬ出費でしたよ」とこぼす。聞くと中国南部を中心とした寒波で、被災地への義援金を“強制的に”寄付させられたからだ。
その仕組みが面白い。まず合弁企業の親会社から寄付の「目標額」を提示され、それを元に役職別に割り当て。知人の会社では一般社員は百元(約千五百円)で、部長クラスは五百元、知人は役員のため八百元も払わされたという。
加えて全社員が集まって募金箱にお金を入れる様子を一人一人撮影。その時、知人の上司は札束をトランプを広げるようにして募金箱に入れたという。部下に対する示しの意味もあるようだが、「日本では考えられないですよね」と知人は苦笑する。
中国では大災害が発生するたびに、民衆が義援金を集める姿がテレビで紹介される。ただ、その実態が税金の徴収と同じかと思うと寂しい。
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