ここから本文エリア 円筒埴輪4基の列を発見 神功皇后陵立ち入り調査2008年02月22日 宮内庁が管理する奈良市山陵町の神功(じんぐう)皇后陵(五社神(ごさし)古墳)で22日、日本考古学協会(会長=西谷正・九州大名誉教授)など考古・歴史学16学会の研究者代表が墳丘の立ち入り調査をした。天皇・皇族クラスの墓と同庁が定める「陵墓」に学会側の立ち入りが認められたのは初めて。墳丘最下段の平坦(へいたん)面を歩くだけだったが、宮内庁側の調査にはない新たな埴輪(はにわ)列が見つかるなど一定の考古学的成果もあった。
西谷会長ら16人は午後1時前から約2時間半、同庁職員の案内で古墳の外周約1キロを歩いた。何度も立ち止まって同庁の測量図と実際の古墳の形を見比べ、写真を撮影。行動に厳しい規制はなく、見学路として認められた平坦面からさらに下へおりてみる研究者もいた。 途中、前方部東側の農業用水池の縁で円筒埴輪4基の列を発見。未確認の埴輪列で、前方部が現状より大きく、この列のところまで広がる可能性が出てきた。また、墳丘の状態から西側部分は東側に比べて後世の改修の影響が少なく、築造当初の姿を残している可能性が高いこともわかった。 遺物の採集や発掘などは認められず、厳密な築造年代や被葬者に迫る手がかりは得られなかった。しかし、終了後に記者会見した西谷会長らは「大古墳の現況を自分たちで確認できた意義は大きい。今後もこうした機会を通して成果を積み上げたい」などと話した。 16学会は4月5日午後1時から、奈良市の奈良県文化会館で市民向けシンポジウムを開き、今回の成果を報告する。 同庁陵墓課の樋口晴夫課長補佐は「学術調査として立ち入りの申し出がある場合、陵墓の静安と尊厳が保てれば、内容を検討して真摯(しんし)に対応する」としている。 PR情報関西ニュース
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