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宮内庁管理の神功皇后陵 16学会が立ち入り調査

2008年02月22日

 宮内庁が管理する奈良市山陵町の神功(じんぐう)皇后陵(五社神(ごさし)古墳)で22日午後、日本考古学協会(会長=西谷正・九州大名誉教授)など考古・歴史学16学会の研究者代表16人が墳丘の立ち入り調査を始めた。学会側の要望を受け、同庁が歴代天皇や皇族を埋葬したとされる「陵墓」で初めて許可した。

写真神功皇后陵に立ち入り調査をする研究者たち=22日午後0時56分、奈良市山陵町で、本社ヘリから
写真神功皇后陵の立ち入り調査をする研究者ら=22日午後0時57分、奈良市山陵町で
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 学会代表は、日本考古学協会理事(陵墓担当)の高橋浩二・富山大准教授ら。約1キロある墳丘最下段の外周を宮内庁職員の案内で歩き、写真撮影などを実施する。遺物の採集や発掘などは許可されていない。午前中、古墳近くで事前検討会を開き、調査方法などを確認した。

 同庁は「御霊の安寧と静謐(せいひつ)」を理由に、学会側による陵墓の学術調査を認めていなかった。昨年1月の内規変更で調査を認めることにしたが、墳丘最下段から現状を見るだけに限っている。

 神功皇后陵は全国11番目の大型前方後円墳で、全長270メートル。同庁が第14代仲哀(ちゅうあい)天皇の妻・神功皇后の墓とし、円筒埴輪(はにわ)や家形埴輪などの破片が出土した。古墳時代前期後半(4世紀後半ごろ)という見方がある。

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