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山瀬が先制、考えて逃げ切る サッカー東アジア選手権

2008年02月21日11時20分

 敵陣左からの駒野のクロスは「速い球をけっておけばなんとかなるだろう」というほどの確信しかなかった。一流のGKなら目の前にはじいたりしなかっただろう。だから、こぼれた球をけり込んだ山瀬功の決勝ゴールを収穫とは言うまい。

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前半、先制点を決め祝福される山瀬功(右)=矢木隆晴撮影

 相手の出方を見て、自分たちで戦い方を考えた。そうやって勝ったことに価値がある。

 事前の分析で中国のパス回しに難があると見た日本は、2人のボランチが相手MFを厳しくマークした。序盤の優勢はここに始まる。しかし日本がリードすると、浮き球で中盤を飛び越し、直接FWに放り込んできた。

 「中沢と話し合って、相手をマークするより、DFが競り合った後のこぼれ球をひろうことにした」とボランチの一人、中村憲。攻撃では「相手が前に出たので裏が空いた。そこに2列目が飛び出した。監督の指示ではなく選手たちの判断」。そうやって逃げ切った。

 得点した後の山瀬も考えていた。「相手DFの前が空いていた。そこをどう使うかだった。もっとうまくできたと思う」

 今の日本代表は練習でも実戦形式が多く、細かい指導は行われていない。チームの完成度を高める作業が選手に委ねられている状態だ。非効率や空中分解のリスクもはらむ。だが、選手たちが語る中国戦の展開を聞いて安心できる気がした。

 「オシムにもそう教えられたように、考えながらサッカーをするベースがある。だから自分たちで改善していける」と山瀬。まかれてあった種の芽が、ぐんと伸びようとしている。〈20日、日本1―0中国〉

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