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米MS、ソフト設計図の一部を無償公開

2008年02月22日10時09分

 米ソフトウエア最大手のマイクロソフト(MS)は21日、同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」などの設計図の一部を無償で公開すると発表した。従来よりも情報公開の幅を広げ、互換性のあるソフトを他社の技術者らが自由に開発できるようにする。従来は一部の開発者への限定的な公開にとどめてきたが、方針を転換する。

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メディアの質問に答えるスティーブ・バルマーCEO(中央)ら幹部=21日、AP

 公開するのは同社のOS「ウィンドウズ・ビスタ」や表計算などの「オフィス」などの設計図の一部で、これらのソフトと連携して動くソフトなどを開発するのに必要な技術情報だ。ただし、コンピューターの基本的な動作を決める設計図にあたる部分の「ソースコード」の内容までは公開せず、今後も「ビスタ」を社外の開発者が修正することなどはできない。

 今回公開される情報はこれまで、一部業者らへの開示にとどまっていた。今後は一般にも無償で公開し、互換性のあるソフトを誰が開発しても良いようにする。ウィンドウズ上で動くソフトの開発が自由になり、様々な開発者から多様なサービスが低価格で提供されるようになる可能性がある。

 MSは昨年10月、欧州連合(EU)独占禁止法違反事件で、EU欧州委員会との間で、EUの求めに応じて競合社に技術情報を提供することなどで合意していた。

 こうした経緯を踏まえて、MSは一部の技術情報の無償公開に踏み切り、ソフト事業での「独占的な立場を乱用した営業手法」との批判を和らげる狙いもありそうだ。

 MSは今月、インターネット検索大手の米ヤフーへの買収提案を発表した。これについても「独占」への批判がくすぶっており、業界では、買収実現に向けて独禁当局の理解を得やすくする狙いもあるのではないか、との指摘も出ている。

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