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カルテ非開示に賠償命令…大阪地裁が阪大に

 大阪大歯学部付属病院(大阪府吹田市)にカルテを隠ぺい、改ざんされ、治療内容の真相究明を妨害されたとして、大阪市の無職田中政春さん(70)が大阪大に1700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、大阪地裁であった。大西忠重裁判長は隠ぺいや改ざんを否定したが、「カルテを開示できないのは、治療方法やその結果を患者に報告する義務に違反し、診療契約上の債務不履行」と慰謝料30万円の支払いを命じた。原告側は「病院にカルテの開示義務を認めた初めての判決」と評価した。

 判決によると、田中さんはあごのがんで1991〜96年、同病院で手術や治療を受けたが、顔などに障害が残り、98年に医療過誤訴訟を起こした。しかし、提訴前の証拠保全で、6回分の入院カルテと手術記録が見つからず、田中さんが2004年に提訴した。

 医療過誤訴訟は05年、田中さんの敗訴が確定した。

 判決で、大西裁判長は「原告がカルテの記載を確認したいと考えるのはもっとも。その心情は法的保護に値する」と指摘した。

 大阪大歯学部付属病院の話「判決内容を十分に検討して対応したい」

2008年2月22日  読売新聞)

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