バス運転手投げ出され１００メートル無人走行…トレーラーと衝突

　２１日午前９時ごろ、岐阜県瑞穂市の県道交差点で岐阜乗合自動車（岐阜市）の路線バスにトレーラーが出合い頭に衝突し、弾みでバスの運転手・宮田浩一さん（４８）が車外に投げ出され、路面で頭を打ち死亡した。バスは乗客１３人を乗せたまま約１００メートル走り、道路沿いのパチンコ店前の門柱にぶつかり止まった。

　乗客は全員女性で、２人が手首骨折などの重傷、１１人が軽いけがを負った。

　北方署は、自動車運転過失傷害の現行犯でトレーラーの運転手・田中裕志容疑者（３２）を逮捕。調べに「（信号が）赤か青かよく覚えていない」と供述しており、同署は信号をよく見ていなかった可能性もあるとみて、自動車運転過失致死傷容疑に切り替えて調べている。

　乗客によると、運転手が外に放り出されたバスは、運転席が無人のまま時速１０キロぐらいで路肩にタイヤをこすらせながら約１００メートル走行。側面の窓ガラスが電柱に当たって割れると、「止めて、止めて」という女性の悲鳴が車内に響きわたった。

　現場は信号のある交差点で、東に直進中のバスに左から来たトレーラーが衝突した。岐阜乗合自動車では、宮田さんがシートベルトを締めていたかについて「締めていたと思うが、締めていれば（車外に）飛び出さない」としている。