社会 : 昭和伊南総合病院の経営健全化計画を提示
更新:2008-2-22 6:01
伊南行政組合議会２月定例会の議会全員協議会は２１日開き、組合側が昭和伊南総合病院の経営健全化計画（２００７―１１年度）を示した。▽医師確保やセンター機能充実による医療機能強化▽職員削減などによる収支改善▽繰入金確保―などを柱に、経営の健全化、効率化を図り、急性期医療を受け持つ自治体病院としての地域の期待に応えていく―とした。
同病院は１９９１年度から４次にわたる経営計画を進めてきた。しかし相次ぐ医師の退職や引き上げなどで環境が変化、第４次計画（０６―１０年度）の見直しを迫られ、新たに策定した。
計画の経営方針は当面、償却前黒字の転換に努め内部資金を留保。１０年度、公立病院改革ガイドラインに基づき経営効率化と再編・ネットワーク化、経営形態見直しなどの改革プランを策定。プランに沿って進めていく。
医師確保については、専門医による特徴ある診療体制を築き、臨床研修指定病院としての指導医充実を図る。また「７対１看護体制」を確保し、患者の満足度を高める。同病院では現在、今年度予算の建設改良費２０００万円で、内視鏡センターに５０平方�辰料�床工事が行われている。新年度から消化器病センターとして稼働する方針。
病院の経営を圧迫していた高金利の起債については、今年度約１５億円の繰上げ償還が認められた。これに伴う支払い利息の減、退職不補充による人件費減、新年度以降の医師確保により、０８年度に見込まれる２億１０００万円余の赤字を、０９年度には黒字に転じたい考え。
杉本幸治組合長は、「経営は非常に厳しいが、医師優遇策を積極的に活用し、あらゆる手段を用いて診療科目を維持したい」と述べ、地域医療の安定と経営健全化への意欲を示した。