県立島原病院(島原市)の呼吸器内科が3月22日で休診することになった。医師を派遣している長崎大医学部の人員不足が理由。患者団体は早期の再派遣を求める署名を始めたが、再開のめどは立っていない。
島原病院によると、今月5日に書面で通知があった。呼吸器内科は02年の開院以来、医師2人体制だったが、一昨年からは1人になっていた。呼吸器内科には外来で年間延べ約2600人、入院で約7250人(06年度)の患者が利用した。
派遣元の長崎大学医学部第二内科医局によると、同医局への入局者は89年ごろには25人いたのがここ数年は10人程度。「若い医師のなり手が減っている。何とかしたいが、医師一人当たりの負担を軽らすために特定の病院に医師を集めざるを得なかった」と説明する。
一昨年、昨年と肺がん手術を受けた雲仙市吾妻町の黒田克明さん(68)は「島原半島の医療を守る会」を発足させ、再派遣を求める署名を始めた。「島原病院がなくなれば長崎や諫早、大村市まで行かなくてはならず、公共交通機関の便が悪い島原半島の患者は非常にしわ寄せが大きい」と訴える。【山崎太郎】
〔長崎版〕
毎日新聞 2008年2月21日