海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、あたごの見張り員が衝突の12分前に清徳丸を視認した際、当直員同士の連携が不適切だった疑いがあることが21日、分かった。海自幹部は「うまく連携していたなら、もっと早く回避していたはずだ」と指摘。この5分後に当直の交代時間を控えており、引き継ぎなどに追われ、適正な措置を取らなかった疑いが浮上した。
あたごの見張り員は19日午前3時55分ごろ、清徳丸とみられる灯火を視認した。同4時6分には、清徳丸が約100メートルまで近づき、右にかじを切ったのを、同じ見張り員が確認。あたごは後進の回避措置を取ったが、この1分後に衝突した。
防衛省幹部によると、最初の灯火は「赤」と「白」で、あたごの右前方に見えたという。左舷とマストを示す灯火で、海上衝突防止法が定める回避義務は、あたごにあったことを意味している。
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「イージス艦」