千曲市は20日発表した2008年度一般会計当初予算案に、同市の長野赤十字上山田病院への財政支援として6000万円を盛り込んだ。病院側は赤字補てんを条件に、当初今年3月とした閉鎖を1年先延ばしする案を示しており、市は「3月末までに経営の引受先が決まらず、そのまま病院が撤退した場合、影響は大きい」(近藤清一郎市長)として予算計上に踏み切った。
病院側は、運営の赤字額を年間約1億3000万円と試算し、全額を地元側が負担することを求めている。予算額を6000万円とした点について近藤市長は「引受先が見つかるまでの暫定措置」と説明している。
同病院は4月以降、診療を外来だけに縮小し、運営を続ける見通し。同病院を分院とする長野赤十字病院(長野市)によると、現在、医療関係の1団体と経営の引き継ぎに向けた交渉を続けているが、すぐには結論が出ない状況という。上山田病院では既に、新規の入院患者の受け入れを減らしている。
市側は「交渉の推移を見守りたい」としており、赤字補てんの時期や方法については今後、病院側と協議していく方針だ。