医師確保について検討している東京都は2月20日、医師の勤務環境の改善を図る2008年度の新規事業の概要案を明らかにした。医師の事務を補助する「医療クラーク」の活用や交替勤務制の導入などで医師の負担解消を図る医療機関のほか、女性医師の再就業を支援する医療機関などに金銭的な補助を実施する。事業費の総額は7億6,325万円。都は会期中の議会での承認を目指す。
都は昨年6月、医療関係団体や有識者など各分野の代表らと「東京都地域医療対策協議会」を設置し、医師確保に関する検討に着手。委員からヒアリングを順に行いながら、都として行うべき施策の方向性について議論を深めてきた。
都はその中で、過重な業務で疲弊する勤務医の負担軽減や女性医師の再就業支援などを行い、勤務環境の改善に緊急に取り組む必要があると判断。07年度最後となるこの日の協議会の会合で、08年度から開始する新規事業の概要案を委員に示した。
概要案によると、▽医療クラークの活用や交替勤務制の導入による勤務医の負担解消▽女性医師の定着や再就業の支援▽就学児の放課後対策や院内保育の整備―などにより、医師の勤務環境の改善に取り組んでいる医療機関へ補助金を交付する。総額7億6,325万円を計上した。
また、この協議会の中では、「勤務医の過重問題は院内だけで解決するものではなく、地域における連携が必要」という指摘も浮上。これを反映して、周産期医療ネットワークの構築や地域における小児医療研修の実施など、医療連携に重点を置いた新規事業も予算案に盛り込んだ。
これらの予算案については、会期中の都議会での承認を目指す。
さらに都は、これまでの会合で深めてきた意見を「医師の確保に向けた提言」として取りまとめる方針。提言の中には、医師の養成や研修制度など自治体レベルでは対応しきれない点に関して、国への要望も盛り込む。都は提言について「早急に意見の集約を行って、広く都民に向けて公表していきたい」と話している。
更新:2008/02/21 15:20 キャリアブレイン
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08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。