堪能~臼杵ふぐ会席・・・前編:“刺し肝和え”を“ヒレ酒”で
街並み散歩後、お茶を飲んで・・・いったん宿へチェックイン・・・。陽も落ち、臼杵城址(臼杵公園)の“二本一の樅の木クリスマスツリー”の点灯が始まれば・・・待ちに待った“忘年会”の“ふぐ会席”をいただきに・・・「喜楽庵」へ向かいます・・・。

風格ある佇まいの“老舗料亭”の敷居を跨ぐのが・・・場違いなオイさんには・・・緊張の一瞬であります・・・(笑)。

お座敷に通されて・・・庭を眺めながら・・・和やかにひととき歓談の後、早速“忘年会”らしく挨拶と慰労の言葉があって・・・会席が始まります・・・。

普通なら・・・ここで“ビールで乾杯!”でしょ!・・・ところが・・・とある御仁・・・「ビールじゃ、腹がふとる(いっぱいになるの意)なぁ~・・・もう、最初っから“ヒレ酒”で行こぉう!」と・・・。

これから始まる“ふぐのフルコース”を・・・“ビール腹”で味わうは失礼と言うことのようで・・・“ふぐ”は、“清酒の燗”で入るのが・・・よろし・・・だそうです。
その気持ちは・・・何となく、よ~くわかります・・・。

さて・・・本場“臼杵のふぐ会席”・・・堪能させていただきましょうかぁ~・・・。

 “先付”に“きらすまめし”・・・
 “前菜”に“海老のパセリソース”、“茄子田楽”、“数の子”、“牡蠣の煮付け”、“慈姑(くわい)チップス”・・・

そして・・・
 言わずと知れた“ふぐのうす造り=ふぐ刺し”へと・・・くぅ~・・・。
(詳しくは・・・↓をクリック)


先付の・・・郷土料理「きらすまめし」・・・醤油に漬した“鰤の切り身”に・・・上品な酢加減の“おから”と“細葱”を和えて・・・“針生姜”・・・。
もちろん・・・添えられた“黄かぼす”を絞って・・・いただきます。

かぼすでフレッシュな酸味の効いた甘酢加減が絶妙の“おから”が口の中で広がり・・・“鰤”の控えめな醤油旨さの食感・・・噛めば“スッル”と身の歯応えと繊細な生姜の風味・・・“酢の物”でありながら嫌味がない一品です・・・。

前菜は・・・海老のプリッとした食感もさることながら・・・やはり、もうひとつの臼杵の醸造文化である“味噌と醤油”の味わいが活きる・・・「茄子田楽」の“味噌”を程好く甘口でまとめた仕立てと・・・「煮牡蠣」を煮付けた薄味の甘辛醤油ダシの丁度好い味付け・・・これには、唸りました・・・。

酢ものの先付、味わいと食感を楽しむ前菜のあとは・・・早くも“メインディッシュ”の「ふぐのうす造り」の大皿が登場しました・・・。

ポン酢に・・・“つみれ”のように浮かぶ肝と・・・浅葱と紅葉オロシを溶いて・・・準備完了・・・。

ふぐ皮や浅葱とともに綺麗に透き通る薄造りの“ふぐ刺し”を2、3枚一緒に巻いて・・・ポン酢にくぐらせ・・・口に運びます・・・口福、至福、ふぐ福・・・福福!・・・。

ふぐ刺し・・・噛み応えがありながら、淡白で甘みをもつ清楚な食感・・・口中では、ポン酢のシャープな酸旨みが最初に広がって・・・噛んでいるうちに、ポン酢よりふぐ本来の刺身の旨みに・・・大満足する感じ・・・。

これ、この食感と落ち着いた旨みが・・・“ふぐ刺し”の魅力なんですが・・・この繊細な味わいを・・・贅沢に味わうなら・・「刺しの肝和え」・・・ポン酢に漬して豪快に喰らう・・・こんな時に遠慮して、お行儀よく食べることなんて・・・無理なんですから・・・(笑)。


こうやって、あっさりと大胆に味わいっているんですが・・・こんな時ほど・・・「ヒレ酒」・・・炙った“ふぐヒレ”の焦げ香ばしさが混じるマッタリと濃~い“熱燗”が最高なんです・・・。

仲居さんに「この“ヒレ酒”に使うお酒は、“一の井手”さん?」と聞けば・・・
「そうです、よくご存知ですねぇ。」と・・・。
で・・・「一の井手さんの何かな?」と執こく訊ねると・・・
「さあ、“ヒレ酒”用にお願いしているものだと聞いてはいますが・・・」と・・・ヒミツにされちゃいました・・・。
いやぁ~・・・やっぱり、「ヒレ酒」は年に一度・・・こんな場所で、この刺し身とともに味わえると・・・それだけで・・・“忘年”できちゃいますよ・・・(笑)。

堪能~臼杵ふぐ会席(後編)・・・に、つづく・・・
by project-beppin | 2005-12-27 03:08 | 美食の街 | Trackback(2) | Comments(7)
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Tracked from 代官山だより♪ at 2006-09-23 23:04
タイトル : 心の旅。。。.゜。*.。♡
週末を利用して美しい物語のような村に出かけてきました。 県人会の方々とご一緒した、故郷大分を訪ねる2泊三日の旅。 家族も友人もいない旅でしたが、初めて訪れる場所もあって心が洗われるような時を過ごしたマリアです。。。。.゜。*.。♡ 父の大好きだった、山頭火。。。      しぐるるや 石を刻んで 仏となす まさか、その山頭火の句碑が臼杵の町で出迎えてくれるなんて思ってもいませんでした。。。 人の思いは、ただの石に、いのちを吹きこみ 仏とするほどに深く哀しいもの。。。 ......more
Tracked from *アルフの部屋* at 2006-11-13 01:58
タイトル : ふぐ堪能 肝最高・・!!
彼の実家へ母とお邪魔しました。 夜はお食事に連れて行っていただきました!わーい家族皆でご飯嬉しいな。 なんと、連れて行っていただいた場所は・・ 酎州大分さんの記事で気になっていた喜楽庵さんでーす!! ヒレ酒から。焼き目からの香りがたまりません・・お酒も美味しい・・(美味しいとしか・・) 先付は好物のきらすまめし、いくらにかずのこ、栗、ぎんなん、お茄子の田楽 ふぐ刺しで~す。まずはそのまま、そして次は薬味で・・ポン酢につけて・・お口の中で肝がとろけます。それ......more
Commented by daidai_LA at 2005-12-27 04:56
だめです・・・もう・・・ノックアウト(笑)。
美しいお料理もさることながら、実はヒレ酒が大好きな私。普段は冷酒の方が
好きなのですが、ヒレ酒だけは別です!でもこれは、やっぱり刺すような
寒~い空気の日に飲むのがオツですよねぇ。最近LAは12月と思えない
ほど暖かなので、ちょっと似合わないかなぁ(笑)。
Commented by icicle_popsicle at 2005-12-27 14:48
う~~、まったりとした肝を絡めたふぐがたまんないんですよねぇ・・・。
大分に飛んで帰りたくなりました(^^;。
しかしお酒のメーカーさんを言い当ててしまうとは酎州大分さん、さすが!!きらすまめし、食べたことないけど美味しそう~*
Commented by 酎州大分 at 2005-12-29 03:06 x
daidai_さん・・・ヒレ酒にKOですか・・・申し訳ない。
このかぐわしい味わいの“焦げヒレ・エキス”・・・おっしゃるとおり・・・。やっぱり、冬は体を暖める飲み方ができる酒がいいですよ。
もう、この日は・・・それこそ、外は「刺すような寒~い空気の日」でした・・・。

LAが・・・そんなに暖かいんなら・・・やっぱ、一度は“冬のBG(豊後の略)でヒレ酒”ですよ・・・是非、この絶品をご主人と・・・。
Commented by 酎州大分 at 2005-12-29 03:13 x
まぐさん・・・あらら、こちらは肝和えに・・・帰国の衝動付きですか・・・(笑)。またまた、申し訳ない・・・。

言い当てるというよりも・・・2軒のうちのどちらかであるという推測はたってましたから・・・だろうな?と思った方を口にしたまででして・・・(笑)。清酒の味で・・・見極めたわけではありません・・・。

きらすまめし・・・酒の肴に“持って来い”ですな・・・。
いやいや・・・もっと“盛って乞い”というのが・・・私のホンネ・・・(笑)。
Commented by daikanyamamaria at 2006-09-23 23:03
こんばんは。
>仲居さんに「この“ヒレ酒”に使うお酒は、“一の井手”さん。。。
そうですか。。。
父はひれ酒が大好きで、出入りの魚屋さんからふぐを届けて頂くと必ずひれ酒用のヒレも届けて頂いて、晩酌を楽しんでいました。。。
懐かしい思い出を、こちらに伺って思い出すことが出来ました。
ありがとうございます。
出来ればこの記事を、マリアの心の旅に 酎州大分さんからTBして下さいますか?
無粋なお願いと分かっていますが、心のお守りにさせて下さいませ。。。
よろしくお願い致します。
Commented at 2006-09-23 23:32
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 酎州大分 at 2006-09-23 23:50 x
マリアさん・・・こんな拙文記事を・・・お父上の“懐かしい思い出”にと仰っていただけて・・・こちらこそ感謝であります・・・。

“一の井手”や“ヒレ酒”に・・・各々の想いが映る・・・酒は人の人生とともにありますね・・・。

大切な思い出のお話をお聞かせいただき・・・こちらこそ、ありがとうございました・・・。
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