ネットを使ったオークションや懸賞、出会い系サイトに関して国民生活センターに寄せられた相談件数は昨年同期比で倍増。サイト運営者も対応に入っているが、利用者は慎重な行動が必要だ。
国民生活センターが全国の消費者生活センターに寄せられた消費生活にまつわる相談をまとめた
「PIO−NET」によると、2007年度に出会い系サイトなどの有料サイトや、インターネットショッピング/オークションに関する相談が急増していることが分かった。
同センターは「まだ年度途中の統計で詳細な分析はしていない」としているが、家庭から手軽に利用できるこうしたネットサービスには十分に注意する必要がありそうだ。 まとめによると、今年2月7日現在で6万3,409件の相談があったが、これは前年の同じ時期に比べて3万7,167件増加、2倍以上も増えている(下表)。
年度 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 相談件数 | 9,148 | 26,476 | 79,065 | 39,701 | 38,531 | 63,409(前年同期 26,242) |
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同センターでは「統計やデータの取り方を変えたわけではない」としており、ネットの契約や取引で多くの被害が広まっている可能性もある。データについて「深い分析はしていない」としているが「出会い系サイトに関する相談が目立つ」としており、07年度の件数が揃った段階で詳しい分析が求められる。
最近の相談事例としては「ネット販売で海外業者と傘の売買契約を結んだ。前払いしたが、仲介業者が持ち逃げしたことを理由に商品が送付されない」などの海外の業者との取引をした場合のネットショッピングに関するものや、「懸賞サイトに登録後、当選したというメールが届き、携帯の番号や性別を入力したら多数の人からメールが届き料金が発生した」などの懸賞や海外宝くじを装ったトラブルが目立つ。
個人でも参加できるネットオークションが活発になっているが、オークションがらみの相談としては「ネットオークションに落札できなかったが、出品者と直接のやり取りで車の売買契約を結んだ。ところが銀行入金後、口座が凍結されたと連絡があった。返金されない」「ネットオークションでブランドものバッグを落札したが、商品が届いて偽物だと分かった。オークション運営会社は補償に応じてくれない」などオークション参加者と、オークションサイト運営会社との双方のトラブルがある。
出会い系サイトに関する相談では「携帯電話の写メールコンテストに応募したら、出会い系サイトへの登録になってしまったらしく、請求メールが届く。どうすればよいか」「調査会社を名乗る者から、1年前に利用したという出会い系サイトのレンタルサーバー料を請求する電話があり、支払ってしまった」「パソコンから無料の懸賞サイトにアクセスして、住所、携帯電話番号、名前を入力したら、勝手に出会い系サイトに登録された」など気軽に利用したばかりにトラブルに巻き込まれる事例が数多くあった。
こうしたトラブルにサイト運営者も対応に入っている。ヤフーオークションを運営するヤフーは昨年12月に、落札しても商品が届かないなどの「商品未着トラブル」の防止策を発表した。落札者が支払った代金をいったん預かり、商品の到着確認後に出品者の口座に振り込む新たなシステムの導入や、商品を受け取り後に代金を支払う「受け取り後決済サービス」や商品の配達時に代金を支払う「代金引換」を利用するよう呼びかける内容だ。
国民生活センターではホームページのトップで注意する内容としてインターネットトラブルのカテゴリーを作成しており、その中で相談事例や、どんな手口があるのかなどを掲載、消費者に対して啓発活動を行っている。
参考サイト:
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国民生活センター(インターネットトラブル)
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オークション商品未着トラブル撲滅に向け抜本的な詐欺対策を実施(ヤフー発表プレスリリース)