現在位置:asahi.com>国際>中東> 記事

イスラエル軍のクラスター爆弾、停戦後も200人死傷

2008年02月19日20時16分

 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(HRW、本部ニューヨーク)は、イスラエル軍が06年夏、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘で使用したクラスター(集束)爆弾についての調査報告書を発表した。停戦後もレバノン南部に残された不発弾の爆発により民間人約200人が死傷したと指摘、クラスター爆弾使用は国際人道法違反と批判している。

 クラスター爆弾は空中で子爆弾が多数分散し、戦闘後も不発弾による被害が絶えない。報告書は、クラスター爆弾禁止条約について討議する国際会議が18日からニュージーランドで始まったのに合わせて発表された。

 報告書によると、06年7〜8月の約1カ月の戦闘期間中、イスラエル軍は460万発の子爆弾を含むクラスター爆弾を使用。大半は停戦が確実になった戦闘最終盤の3日間に集中的に使われたと指摘している。

 調査した在ベイルートHRWのナディム・フーリー氏によると、イスラエルとの国境に近いレバノン南部では、残された不発弾が風雨の影響で爆発したり、爆弾に誤って触れた子どもたちが被害にあったりするケースが続出。停戦後、今年1月までに20人以上が死亡、約180人が負傷した。不発弾の除去は進んでおらず、主産業の農業ができないため、地域経済にも打撃を与えている。

 イスラエル軍は、ヒズボラのロケット発射拠点を攻撃するためのクラスター爆弾の使用であり、国際法違反ではないと主張している。

PR情報

このページのトップに戻る