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【社会】

多臓器移植手術へ渡米 名古屋の各務宗太郎君

2008年2月21日 15時59分

見送りの人に手を振り渡米する各務宗太郎君と母親の優子さん(左)=21日、成田空港で

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 食べ物の消化吸収ができない難病で多臓器移植手術を受けるため、名古屋市東区の小学2年生、各務宗太郎君(8つ)が21日昼、母親らとともに成田空港から米国へ出発した。

 宗太郎君は胃から大腸までが正常に機能せず、多臓器移植しか生きる道はないという。日本では15歳未満からの臓器提供が認められておらず、「そうたろうを救う会」が1月22日から米国での手術費など約1億5000万円を募金で集めた。

 渡米後、マイアミ大ジャクソン記念病院に入院し臓器提供があり次第、手術を受ける。

 「頑張って手術に行ってきます。応援よろしくお願いします」。午前9時50分すぎ、成田空港第2ターミナルビル内に車いすで姿を見せた各務宗太郎君。大勢の記者やカメラマンに囲まれ緊張した面持ちで記者会見に臨んだ。会見後の「そうたろうを救う会」との懇談会では励まされ、笑顔を見せた。

 宗太郎君は会見で、帰国後に一番やりたいことは「フライドポテトを食べたい」、米国で楽しみにしていることは「食べれること」と話した。続く懇談会では、大好きな恐竜のおもちゃを贈られ、うれしそうに手にした。名古屋などから駆け付けた小学生を含む支援者約30人と記念撮影をしたり、会話を楽しんだ。

 母優子さん(36)は会見で「多くの応援をいただきプレッシャーもありますが、それを勇気にかえて宗太郎とともに頑張ってまいります」と深々と頭を下げた。

 日本で臓器提供を受けられない現状を聞かれると、「選択の余地がほしい。生活環境が大きく変わることはストレスになる。本来なら環境を変えずにできたら、と思う」と語った。

 優子さんは、フィギュアスケートの安藤美姫選手(20)が宗太郎君にプレゼントした4大陸選手権のメダルも携えており、支援者に披露した。

 この日は、うれしい知らせも入った。宗太郎君が受けた漢字検定「5級」に合格したことが分かり、拍手が送られた。

(中日新聞)

 

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