沖縄県での女子中学生暴行事件など相次ぐ米兵による不祥事を受け在日米軍が20日、在沖縄米軍などに対する当面の全面外出禁止という異例の措置に踏みきった。政府は米兵の外出禁止に積極的に動かなかっただけに、米側主導の動きに先を越された格好。今週中に取りまとめる予定の再発防止策の実効性が改めて問われる事態となった。
今回の措置について、町村信孝官房長官は会見で「それなりに評価する」と述べる一方、あくまで日米間の「真剣な協議の第一歩」と指摘し、今後の再発防止策とりまとめを重要視する姿勢を強調。外務省の児玉和夫外務報道官も会見で「再発防止策の基本的な方向性について、今週中に発表できるよう作業している」と述べた。
今回の措置は地元反発に危機感を強めた米側主導によるものだった。石破茂防衛相は19日午前の衆院予算委員会で「(米兵の)原則外出禁止を日本政府として要請するのは難しいところがある」と答弁していた。在日米軍が外出禁止措置を発表したのはその約12時間後。政府の要請を経ないままの決定を、石破氏に質問した照屋寛徳氏(社民)は「結局米軍主導でしか動かない」と批判する。
外出禁止措置は最近の例では、05年7月、小学生女児の強制わいせつ事件で米軍嘉手納基地所属の軍人・軍属を対象▽06年1月、空軍兵の住居侵入事件で在沖縄米空軍兵を対象--にそれぞれ深夜外出制限を2週間実施している。今回は「全面禁止かつ4軍一斉という点で強い措置」(外務省日米地位協定室)という。
ただ、米兵の活動は実際には地域の経済に影響している。それだけに「地元から逆に不満が出るのを待つ戦術ではないか」との見方もある。【上野央絵】
毎日新聞 2008年2月21日 1時59分 (最終更新時間 2月21日 8時23分)