日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)は20日、仙台市のみやぎ生協から回収した中国天洋食品が製造元の「CO・OP手作り餃子」(07年6月3日製)の袋から、ジクロルボスと、毒性の強いパラチオン、パラチオンメチルの計3種類の有機リン系殺虫剤を検出したと発表した。一連の事件で、パラチオンとパラチオンメチルが検出されたのは初めて。
この2種類の殺虫剤は、日本では毒性が強く中毒事故が多発したことから、71年に使用が禁止された。中国では今年1月に全面使用禁止になった。宮城県警など警察当局は、中国国内で付着した可能性があるとみている。
農水省農薬対策室によると、一日に摂取して健康を損なう量はパラチオンが体重1キロ当たり0.01ミリグラム、パラチオンメチルが同0.03ミリグラム。千葉、兵庫県で中毒被害を起こしたメタミドホス(同0.01ミリグラム)と同程度の毒性だという。
同連合会によると、ジクロルボスが高濃度の180ppm、パラチオンは1.6ppm、パラチオンメチルは1.1ppmだった。「ppm」は1グラム当たりに何マイクログラムの殺虫剤が含まれるかを示す。
この商品は昨年10月にみやぎ生協組合員が異臭を訴えて回収され、同11月に有機溶剤検査を実施した結果、トルエン、キシレン、ベンゼンが袋から検出されていた。これらの溶剤は殺虫剤の溶液に使われた可能性がある。
中身のギョーザは、この際に天洋食品に返品したという。
07年6月3日製の同商品を巡っては、福島県のコープあいづから回収された商品のギョーザから110ppmのジクロルボスが検出されている。【宮川裕章、桐野耕一】
毎日新聞 2008年2月20日 22時35分 (最終更新時間 2月21日 1時01分)