日本病院事務研究会(会長=合羽井昭雄・永寿総合病院理事)は2月19日、定例の勉強会を開催し、病院の経営改善指導などを手がける「ASK梓診療報酬研究所」の中林梓(あづさ)所長が2008年度診療報酬改定のポイントを解説した。中林氏は、今回の改定で「亜急性期入院医療管理料2」の新設が決まった点に注目。現時点で明らかになっている同管理料の算定要件は、急性期直後の患者の受け皿としての色合いが強いため、急性期を提供できる体制が整っている病院にとっては有効活用が見込める一方、看護配置の手薄な13対1入院基本料などを算定している病院では、同管理料の算定も難しくなると見通した。 「亜急性期入院医療管理料2」(2,025点)は、主疾患の治療が始まってから3週間以内の患者の受け皿として新設する。急性期病院で平均在院日数の短縮が進む中、これらの病院を退院した患者を受け入れてスムーズな在宅復帰につなげる狙いがあり、200床未満の中小病院が、一般病棟の病室単位で60日間に限り算定できる。
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中林氏はその上で、同管理料の新設が、13対1以下の入院基本料を算定する病院を急性期とは見なさない厚生労働省のスタンスの表れとの見方も示した。
ただ、現時点で明らかになっている算定要件に「7対1、10対1入院基本料や入院時医学管理加算などの点数を算定する病棟(病床)からの転床(転院)が病室の入院患者の3分の2以上」にすることが組み込まれているため、看護配置が手薄な13対1や15対1の算定病棟からの転棟は制限される=表。
このため中林氏は同管理料について「7対1や10対1などの体制を整えた急性期病院が一部の病室で算定する場合には有効活用が見込めるが、13対1や15対1を算定している病院では対象患者を集めるのが難しい」と指摘し、同管理料を算定できるのは事実上、急性期医療を提供する体制が整った病院に限られると予測した。
中林氏はまた、13対1や15対1について「点数自体が残ることが決まったので安心していたが、国は別の形で縛りをかけてきた。例えば(入院期間が長くなる)脳卒中の後遺症患者を受け入れざるを得なくなり、医療療養などへの移行を迫られるケースも出てくるだろう」などと述べた。
更新:2008/02/20 22:09 キャリアブレイン
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08/01/25配信
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医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。