日本生活協同組合連合会(日生協)は20日、中国・天洋食品で製造され、みやぎ生協(宮城県)が回収した「CO・OP手作り餃子(ギョーザ)」の袋から、高濃度の「ジクロルボス」とともに、同じ有機リン系殺虫剤で微量の「パラチオン」を検出したと発表した。
パラチオンは、毒性の強さから日本では農薬使用が禁止され、厳重に取り扱う「特定毒物」に指定されている。いずれも袋から検出されたことから残留農薬の可能性は低いとみられる。
検出量は、ジクロルボスが180ppm、パラチオンが1・6ppm。パラチオンと組成が一部異なるパラチオンメチルも1・1ppm検出された。日生協によると、検出された商品は、昨年6月3日に製造された。10月に購入者から「薬品のような味がした」と苦情があり、輸入元のジェイティフーズの親会社・日本たばこ産業が袋を検査し、トルエンなどを検出。有機リン系殺虫剤の検査は行っていなかったため、改めて日生協が調べていた。
6月3日製造の「手作り餃子」をめぐっては、福島県喜多方市のコープ店舗で販売されたギョーザの皮からも、110ppmのジクロルボスが検出されている。ジクロルボスの残留農薬基準は、ギョーザの皮に使う小麦の場合、0・2ppm。福島、宮城のケースとも極めて高濃度で、日生協から報告を受けた警察当局は、詳しい鑑定を行う方針だ。
パラチオンは日本では1970年代初めに禁止農薬になり、中国でも昨年1月に禁止された。小麦の場合の残留農薬基準は0・3ppm。中国産輸入食品からは、2002年に冷凍ホウレンソウから1・1ppmが検出されたことがある。
今回の日生協の検査では、袋を刻んで調べたため、袋の内と外のどちらに付着していたかは不明。中身のギョーザは検査しないまま廃棄されている。
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