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2006年04月18日

シリーズ 「圧迫面接の本質」 20

テーマ:圧迫面接

「枯れ尾花」と「内的要因」の相関について。ようやく今日は核心に触れられそう・・・。

 

 昨日書いたように、まな板の上に乗った鯉同士が、水中に戻って自由に泳ぎまわり、同じ鯉仲間同士で情報交換をするのは、就活を行う学生にとっては至って普通の健全な行為です。

 

 でも、この情報交換も皆が素直な気持ちで行うことができれば何の問題もないのですが、困ったことに学生というのは、その大半が生意気でプライドが高い人種なので、どうしても失敗した自分や、誰でもいいから寄りすがりたい気持ちを他人には見せたくないものです。僕の学生時代のように。

 

 面接会場で知り合った同じ就活仲間や、学校の友達とかと情報交換する際、こういった学生は発言に予防線を張る傾向にあります。これが顕著に現れるのは、

 

  「常に自分に余力を残す」

  「失敗した自分に対して言い訳することを考えている」

  「一生懸命頑張ってる自分がかっこ悪く映る」

 

 こういった価値観を持つ学生なんです。このタイプの学生は大抵、自分には非がないというコンセプトで理屈を作ってきます。総じて多いのは以下の2つでしょうか?

 

   ①周りの環境要因のせいにする。

   ②会社の面接状況のせいにする。

 

 このうち①は、大いにやってもらって構いません。例えば、連日徹夜続き、もしくは風邪気味で体調不良だった、とか、もともと第一志望の企業じゃないのでモチベーションが上がんなかった、とかね。高校時代の試験後に取り交わされる友達同士の会話のようなものです。本当は自分の面接に対する心構えとか、認識が甘かったと自分ではイタイほど判っていても、それを素直に口に出来ない。だって口にすると、自分が“デキナイ学生”であるということを認めてしまうことになるし、他の学生が自分に対して哀れんでしまう状況になるかも・・・?それだけは避けたい!・・・って、客観的に見ると被害妄想・自意識過剰の極みなんですが、本人は真剣。

 

 加えて、他の学生の進捗がどうしても自分より進んでいるように見えたり、自分よりイキイキと前向きに就活を行っているように見えたり、企業研究が自分の方が甘いなあ・・・なんて意識してしまうと、さらに予防線を張ることになるかな? “自分だって本当はスゴイんだよ!でも、今回うまくいかなかったのは周りのせいなんだよ!”っていう主張ですね。

 

 こういった予防線を張りまくっている学生は、自分独りになったり、ふと我に返ったりしたときに、「俺って、ホントにカラ意地張ってるけど、大丈夫かなあ・・・?」って自分がイヤになってしまうこともあるでしょうが、でも大丈夫です。安心してください。上記①のせいにしているうちは全然問題ないし、むしろ推奨しますね、こういったガス抜きは。周りの環境要因のせいにするのは、大いにアリ!です。

 

 しかし②の場合はちょっと問題です。同じ予防線を張るにしても面接官のせいにするのは、場合によっては他の学生に波及することがあるし、ひょっとしたら、すでに自分がその波及した情報に踊らされているかもしれません。

 

 生意気でプライドの高い学生が、面接で自分の思い通りにコトが運ばなかった場合、 “面接でうまくいかなかったのは、自分のせいじゃないんだ”ってことを周りの仲間や友達に伝える手段として、この面接官の人となりを持ち出すことがあります。

 

  「なんか俺のこと面接したオッサン、仏頂面で愛想もないし頷きもないし、最悪だったよ」

  「私の回答に、イチイチ突っ込んできて、しかも否定的に。あれは圧迫だよ」

 

 なんてね。自分がうまくいかなかったのは、あの面接官のせいだ!って他人に言うことで責任転嫁するということ・・・これはよくある一コマです。

 

 実は学生の間で飛び交う圧迫面接情報の起点は、この瞬間に集約されます。つまり生意気でプライドの高い学生が、責任転嫁するために発せられた、上記のような言葉からです。

 

 ある企業の面接が本当に圧迫だったかどうかは、この際あまり問題ではありません。要は、失敗したことを安易に認めたくない学生の気持ちの拠り所として、あの企業は圧迫面接だったという口上が利用されるんです

 

 僕が圧迫面接の大部分が、この学生に潜在する内的要因であると主張するのはこの点です。就活を本当に不安なく自信だけで乗り切れる学生なんて、滅多にいません。ほとんど全ての学生はゴールが見えず不安を抱えています。この不安を少しでも緩和するために圧迫面接のせいにすることは、学生にとって簡単なことなんです。だって本当に圧迫だったかどうかは誰にも判らないし、違う学生がどう感じるかについても誰にも判らない。

 

 だから、枯れ尾花(=圧迫面接)の本質は、「面接がうまく切り抜けられなかった・・・と本音では後悔している学生の、虚栄心から出てくるもの」ということになるんです。やっと核心に触れることができました。回りくどくてすみません。

 

 採用面接が枯れ尾花(=圧迫面接)となり得る要件は、面接を受けた学生が「あの企業の面接は、圧迫面接だった!」と吹聴することです。これしかありません。だから「圧迫面接16」で書いたように、学生の内的要因だけは、会社サイドに起点が存在しないことになります。 

 

 最近は、就活のインターネット上のコミュニティサイトが充実しており、全国各地の学生が企業の面接を受けるたびに、その感想や見解を掲載してきます。場合によっては、自分の受けた面接の解説までやってのける掲載文もある。ここに「○○株式会社の面接は圧迫だ!」っていう情報が一度載ってしまって、それが複数の学生間で盛り上がってしまうと、いつしか、「○○株式会社の面接 = 圧迫面接」が定義化されてしまうんですね。

 

 中身の本質や情報の起点を知らないどこかの学生がそれを読むと、気にしないようにと思っても、気になってしまうだろうし、先入観として心に刻まれてしまうんですね。ここまで行くと、まさに枯れ尾花の一人歩きです。いつしか本当に実態のない幽霊になってしまう。

 

 このテーマはもうちょっと続けます。

コメント

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■ありがとうございました。

このブログを参考にした結果、無事に、志望度が高い企業の内定が取れました。
ありがとうございます。

私は面接では、物凄く緊張する人間なので、面接に関する記事は特に参考になりました。
大企業の集団面接は本当に営業部など人事権のない人たちがやっており、
型どおりに採点しているように感じました。


これからも頑張ってください。更新、楽しみにしています。

■佐和さんへ

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