特集1 コープの輸入品について
    〜中国産原料・製品についてのコープの考え方〜

コープかながわ、コープしずおか、市民生協やまなしなどで構成するユーコープ事業連合の輸入についての考え方と中国産原料・製品の取り扱い状況や、取り組みをお知らせします。

 

コープの輸入食品について多くの意見をいただいています。

コープの商品相談室にいただいたお問い合わせ

5月21日〜8月20日
321件

「中国製の IH土鍋から、鉛などが溶出」「学校給食用の中国産キクラゲから基準値の2倍の残留農薬」など「中国製品」についての報道が続き、コープへのお問い合わせを多数いただいています。

 

 

 これらのご意見をもとに、コープの考え方をご説明致します。

 

Q1 どうしてこんなに輸入食品が多いの?

答え 1国産原料だけでは日本の食生活はまかなえない現状があります。日本の食料自給率は2006年度で39%(カロリーベース)。1960年度に79%だった自給率は年々下がり続けて先進国で最低水準になっています。40%をきるのは冷夏で米不足となった1993年以来です。

輸入品なくして私たちの食生活は成り立ちません。

※食料自給率は、国内の消費に対して国内でどの程度まかなえているかを示す指標です。

 

日本の食料生産をめぐる状況

国産野菜の生産量と輸入野菜 日本の野菜の生産量は年々減り続けています

 

輸入品の多い野菜 数値は輸入 ニンニク71% 生姜69% カボチャ45% ブロッコリ43% アスパラ42% 輸入に頼らないと野菜を十分食べることができません

 

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Q2 コープは輸入についてどう考えているの?

答え 2コープが輸入を行う際は、常に日本の農林水畜産物の状況や輸入相手国での生産をめぐる状況を考えて進めます。

 

最適な品質・価格の商品を安定的に提供することで組合員のくらしを豊かにし、選択の幅を広げるために国産品と輸入品を適切に組み合わせて提供しています。もちろんコープの商品取り扱い基準を満たすものです。

輸入食品を提供する際のコープの7つのポイント
  1. 安全性を確保します。
  2. 品質管理を適切に行います。
  3. 組合員の選択に役立つ情報提供を行います。
  4. 産地の生産状況(資源の管理や生産方法、生産に携わる人のくらしや仕組み)を把握し、フェアトレードや労働者の人権などについても考慮することを追求します。
    ※フェアトレードとは、途上国の産物を適正な価格で継続的に輸入することを通じて、持続的な生活向上を支える取引のあり方のこと。
  5. 問題発生時における迅速な対応に努めます。
  6. 輸入食品の流れや生産状況などの学習や話し合いが深まるようにします。
  7. 生活を見直し食物を大切にする活動を進めます。
コープは輸入食品について政府に要望しています
  1. 食料品の輸入増加に対応した、安全確保のための全国の輸入監視機関、食品衛生体制、検査機関の強化を求めます。
  2. 安全に対する疑問発生時の情報公開を含めた、迅速な情報提供と対策の実施を含めた体制づくりを求めます。
  3. 国内の農林水畜産業の強化に有効な施策の実行を求めます。

 

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Q3 どうして中国産製品を取り扱うの?

答え 3中国は日本の最大の貿易相手国です。コープは中国産を「扱わない」として排除するのではなく、より多くの人に、より良い商品をより安く提供し、くらしに貢献することを大切にしています。

2006年輸入野菜に占める中国産

06年に中国が最大の貿易相手国になり、輸入金額は25兆4千億円に達しています。2位はアメリカ合衆国です。

輸入冷凍野菜 中国からの輸入分46.7% 総輸入額1163億円

国内で消費する冷凍野菜の9割が輸入です。

 

輸入生野菜 中国からの輸入分46.4% 総輸入額964億円

国内で消費する生野菜の2割が輸入です。

 

中国製品を扱う理由
  • 中国の輸出向けの工場はHACCPやISOなど国際基準を取得し、衛生管理や品質の規格の高水準化を進めています。
    06年1月の環境認証は12,683件と日本に次いで世界2位(アメリカは6位)になっています。
  • 商品によっては国産品より安定的に原料の調達ができ、より低価格で提供することができるものがあります。
  • 中国は日本の隣国です。気候・文化・習慣も共通する点が多くあります。特に山東省は仙台とほぼ同緯度で日本の約4割の面積があり、気候・土質など野菜を作るのに適している地域です。
  • 食品だけでなく、衣料品、日用品など中国は世界の加工基地としての役割は否定できません。
  • コープは「中国産」だから危険という考え方はとりません。組合員のふだんのくらしに必要なものを、より安全に、確かな品質で、より低価格で提供することを重視します。同時に組合員が選べる品揃えと情報を大切に、学習の場を広げます。

 

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Q4 でもやっぱり「中国」というと心配ですが?

答え 4中国からの輸入品の違反品の発生率は他国と比べ際立って高いというわけではありません。

問題となる商品の報道もありますが、ユーコープ事業連合はより厳格な原料確保・工程管理と検査体制の強化を進めています。

また、中国国内では輸出品について国内の流通品(主に路上市場、自由市場)とは別の食品安全体制が取られています。現在、輸出食品に対する検査検疫体制は、中国の食品安全に関する体制の中では最も充実したものとなっています。

輸入品について中国産のみが他国品と比べて違反品事例の発生率が特に高いということではありません。中国産のものは危ないと思われがちなのは、中国産食品の輸入量が多いため違反件数としても多くなり、報道などで取り上げられやすくなることも関係しているようです。

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Q5 中国産のほうれん草の農薬問題が騒がれていたけど?

答え 5ユーコープ事業連合では、責任を持って安全性を確保し輸入していました。

 

コープも扱っていたでしょう?一般市場では、2002年3月に市販の中国産冷凍ほうれん草の多くから、食品衛生法の基準値を超えるクロルピルホス(殺虫剤)が検出されました。同年7月には厚生労働省が輸入業者に対して、輸入自粛要請を行いました。2003年3月には解除されましたが、同年5月には再度2件の違反事例が発生し、2回目の輸入自粛になりました。

その後2004年6月には品質基準を満たした指定27工場が管理する圃場で収穫・製造された冷凍ほうれん草は自粛解除されました。

 

ユーコープ事業連合は、輸入自粛期間中も指定工場からの直輸入を継続しました。その理由は、安全性を次のように確実に確認していたからです。

圃場を特定し、収穫・製造まで一貫管理をしています。

 

毎年、ユーコープ事業連合の担当者が現地に行き、栽培から製造まで調査・確認しています。また、現地の関係者にコープの取り組み内容の確認をしています。

現地の畑で状況を確認します。

 

中国泰安市商品検疫局との情報交換で状況を確認してきました。

 

一般市場で残留農薬問題が発生した期間中もコープのほうれん草からは基準値を超えた残留農薬は検出されませんでした。

なお、ユーコープ事業連合の指定工場は、上記の品質基準を満たしている安全性・品質管理が認められた27工場のひとつです。ユーコープ事業連合は、自ら責任をもって安全性を確認した商品を提供しております。

 

〈中国山東省泰安〉

日本の有機認証マークの看板が立つコープ向けのほうれん草の有機栽培圃場。隣の圃場とは6m以上距離をおいています。

 

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Q6 「はちみつ」は中国産が多いけど大丈夫?

答え 6検査証明書での確認と自主検査を行ったものをお届けしています。

 

日本で流通しているはちみつの約90%が中国産です。コープ「アカシアはちみつ」とコープ「純粋はちみつ」は、どちらも中国産原料を使用しています。中国で採集したはちみつは、現地で20トンタンクに入れ均質化して検査を行い、安全性の確認が取れた検査証明書付きのはちみつを輸入しています。(20トンタンクの中から検査を行うために全量検査となります)

中国の「アカシア」は、砂漠化した山に緑化を目的として植樹したもので、農薬を使用する必要性はなく農薬使用はありません。

コープ「アカシアはちみつ」は、そのためミツバチに与える抗生物質の残留に重点を置いた検査を行っています。輸入の船ごとに最低2回の自主検査と厚労省検疫所での検査を行っています。コープ「純粋はちみつ」は「アカシア」にホワイト(百花蜜)をブレンドしているために、農薬も含めてより多い項目の自主検査を3回実施しています。

 さらに、ユーコープ商品検査センターでも計画的に抜き取り検査を行っています。

 2006年度は微生物・残留農薬・動物用医薬品の検査を実施し問題はありませんでした。「異性化糖」などを混ぜて“増量”されていないかの検査も行い、はちみつ以外は含まれていないことを確認しています。安心してご利用ください。

売場でもお知らせしています。

 

 

2006年の統計では、国内産はちみつは全消費量(約4万6,000トン)の約6%に相当する2,800トンに過ぎません。これに対し、中国産は消費量の約90%を占めています。中国は花の蜜源が豊富であり、生産が安定していること、日本に近く技術指導を行うことで品質の良いはちみつが採れます。なお、2006年は中国で天候不順等の影響で減産となっています。(日本蜂蜜調査等)

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Q7 コープの「冷凍野菜」も中国産が多いけど?

答え 7コープ「冷凍きざみおくら」を例として紹介します!

生産計画

コープの扱い量を提示し、圃場を特定します。(コープ商品や直輸入品の冷凍野菜はすべて畑を特定します。他の畑の農薬などが影響しないよう隣接する畑から距離をおきます)

定期的に現地の畑に栽培状況の確認に行きます。

次の行程

種まで管理

種子は生産計画をもとにメーカーが一括購入して各畑に配布します。

次の行程

栽培管理

中国のメーカーが農業管理技術規範に沿って栽培しています。多くの日本人スタッフも常駐しており、常に畑の状態を確認し状況を把握しています。

コープかながわで行っている組合員と産地の交流会「春ワイワイ」にも参加し、現地の状況の報告をしています。

現地に常駐しているスタッフから栽培や加工についての報告がありました。

次の行程

農薬管理

病害虫が発生しそうな場合は、農薬を使用せずに抑えることができないかを検討します。農家が勝手に農薬を使用することはできません。農薬の購入・配布はメーカーが一括して行い、購入、配布、配合、散布まで記録します。隣接する畑が使う農薬も記録し把握するようにしています。もちろん収穫前の使用禁止期間の農薬の使用は行いません。

次の行程

収穫前に残留農薬検査

おくらは収穫前にメーカーの工場検査室で残留農薬の検査を行い、合格した畑のものだけを収穫して工場に入荷させます。畑を特定しているので、他の畑のものが混ざることはありません。短期間に収穫することで品質も安定します。

次の行程

原料輸送から加工までしっかり管理

収穫した原料は、できる限り当日中に加工・凍結しています。配送トラックの積み込み記録の確認も行っています。冷凍庫で保管しコンテナ単位で日本に届きます。

手作業で短時間に集中して選別します。

次の行程

検査体制

おくらは残留農薬検査をメーカーの工場で2回(1. 収穫前 2. 袋詰め前)行っています。残留農薬の他にも鮮度、品質、規格、重量などの検査を行い合格したものだけを輸入しています。

コープの担当者も定期的に現地に行き状況を確認しています。

正確に検査を行っています。

このようにコープでは定期的に冷凍野菜の産地・工場の点検を行い、品質や安全性の調査と確認をした上で、組合員の皆さんに提供しています。

 

〜これまでも、これからも、コープの輸入食品は安全性を確保します〜

 

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