スポーツ

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

サッカー:日本、中国を降し待望の1勝 東ア選手権第2戦

前半17分、先制のシュートを決める山瀬功=中国・重慶市のオリンピックスポーツセンターで2008年2月20日、小出洋平撮影
前半17分、先制のシュートを決める山瀬功=中国・重慶市のオリンピックスポーツセンターで2008年2月20日、小出洋平撮影
【中国・日本】後半10分、中国GK・宗の右足が安田理の右脇腹にくいこむ=中国・重慶市のオリンピックスポーツセンターで2008年2月20日、小出洋平撮影
【中国・日本】後半10分、中国GK・宗の右足が安田理の右脇腹にくいこむ=中国・重慶市のオリンピックスポーツセンターで2008年2月20日、小出洋平撮影
前半終了間際、中国の激しいタックルを受ける田代(上)=中国・重慶市のオリンピックスポーツセンターで2008年2月20日、小出洋平撮影
前半終了間際、中国の激しいタックルを受ける田代(上)=中国・重慶市のオリンピックスポーツセンターで2008年2月20日、小出洋平撮影

 【重慶(中国)安間徹】サッカーの東アジア選手権は20日、男子の第2戦が当地で行われ、日本は山瀬功のゴールで中国を1-0で破り、勝ち点を4に伸ばした。中国との対戦成績は日本の11勝4分け7敗。地元・中国は2連敗で連覇が途絶えた。残る1試合は韓国と北朝鮮が1-1で引き分けた。韓国は勝ち点4、北朝鮮は2。

 日本は23日の最終戦で韓国に勝てば初優勝が決まる。

 また、女子は21日に第2戦の2試合があり、初戦で優勝候補の北朝鮮に逆転勝ちした日本は韓国と戦う。

 ▽日本・岡田監督 タフなゲームになると思っていたが、結果を残してくれた。韓国戦は全力を尽くしたい。

 ▽中国・ペトロビッチ監督 不運にも得点できなかったが、選手は良くがんばった。チームにとって重要なのは次のW杯予選。今日と同じミスは繰り返さないようにしたい。 

 ○日本1-0中国●(前半1-0、後半0-0)

 激しいプレスに苦しんだ日本が辛くも逃げ切った。前半17分、駒野の左クロスに田代がゴール前でつぶれ、相手GKがはじいたボールを山瀬功が押し込んで先制した。その後は中国に押し込まれる場面が目立ち、後半24分の山瀬功のミドルシュートも惜しくも枠の外へ。追加点は奪えなかったが、GK楢崎の好セーブなどでリードを守った。中国はサイドを起点に日本を脅かしたが、得点できなかった。

  ◇「選手は冷静に、粘り強く戦った」岡田監督

 心は熱く、プレーは冷静に。岡田ジャパンが過酷なアウェー戦を乗り越えた。

 先発6人を入れ替えた中国戦。先制点を決めたのは、右太もも裏痛で初戦を欠場した山瀬功だった。前半17分、駒野が左サイドから仕掛けた。DFをかわし左足でクロス。GKがはじいたこぼれ球を、山瀬功が豪快なボレーでたたき込んだ。

 激しいブーイングを浴びた初戦の北朝鮮戦から中2日。岡田監督は反日感情に満ちた4年前のアジアカップの再現も覚悟し、「ブーイングで我々のプレーは変わらない。審判の判定などに影響はあるかもしれないが、いい経験。これからいろんなアウェーを戦うわけだから」と語っていた。

 だが、半年後に迫った北京五輪へのイメージ悪化を危惧する中国当局は事前に観戦マナーを呼び掛けた。君が代へのブーイングはなく、後半に観客が着火した発煙筒もすぐに警備員に消され、試合中は大きな混乱がなかった。しかし代わって選手たちを脅かしたのは、焦る中国のラフなタックルだった。

 田代は「ボールというより、人に来る感じだった」と振り返る。後半10分には抜け出した安田理がペナルティーエリア手前で相手GKに強引に倒され、負傷退場。本来なら一発レッドカードでもおかしくないプレーだが、北朝鮮の主審が出したのは警告のみ。その後もラフプレーを流す地元寄りの判定が続いたが、最後まで集中力を切らさなかった。

 「レフェリング(判定)などに興奮していたのは私一人。選手は冷静に対応し、粘り強く戦った」。岡田監督の声はかれていた。【安間徹】

 ○…17日の北朝鮮戦で途中出場し、同点ゴールの起点となった安田理が初の先発出場を果たした。本職の左サイドバックではなく、2列目の攻撃的なポジション。アウェーのスタジアムで「逆にそれをパワーに変えないといけない」と話していた20歳は、豊富な運動量で攻守に活躍。後半10分には中村憲の縦パスに抜け出したが、相手GKに体で止められて倒れ、担架で運び出されて途中交代となった。

 ○…北朝鮮戦の川島に代わり、GKは1月30日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦以来となる楢崎が先発。普段の安定した守備に加え、正GKを争う川口のお株を奪う積極的な飛び出しを見せた。

 前半32分、右サイドバックの内田が相手に突破を許すと、思い切り良く前に飛び込んで食い止めるなど、再三にわたって体を張った。

 ○…故障者続出のFW陣は田代が1トップで先発フル出場。前半17分には駒野のクロスに飛び込み、山瀬功の先制点をおぜん立てした。精力的な守備でも貢献したが、後半ロスタイムにDFの裏に抜けた決定機でゴール右にシュートを外し、絶好のアピールの場面を生かせなかった。

 ○…貴重な決勝ゴールを決めた山瀬功は「ボールが弾んだので、けりやすい高さになった。僕のシュートはおまけ」と振り返った。前半17分、駒野のクロスに田代が飛び込み、GKがはじいたこぼれ球を冷静に右足でゴール右側に突き刺した。

 初戦の北朝鮮戦は欠場したが、この日は常にゴールを意識した。12月の岡田監督就任後、代表チームの中で最多となる3点目を挙げ、決定力の高さを見せつけた。

 ★安田理が負傷交代 日本代表の安田理は中国戦の後半10分、相手GKと交錯。右脇腹と腰を打って退いた。

 ★順位決定方式 勝ち点(勝ち3、引き分け1、負け0)、得失点差、総得点の順で成績を決める。

毎日新聞 2008年2月20日 21時14分 (最終更新時間 2月21日 0時49分)

スポーツ アーカイブ一覧

 

サッカー速報

おすすめ情報