泉佐野病院、3500万円で麻酔医募集
4人いる麻酔医の常勤医師が一斉に退職することになった大阪府泉佐野市の市立病院で、最高3500万円の年俸を提示して後任医師の募集を始めました。
「年俸は最高で3500万円」。今月初め、医師専用の求人サイトにこんな募集が載りました。
掲載したのは大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院。昼夜を問わず重症の救急患者を受け入れるなど、年間およそ2000件の手術をこなす大阪南部の中核病院です。
ところが、麻酔科の常勤医師4人が、激務などを理由に3月末で全員退職することに。常勤の麻酔科医がいなければ緊急の手術に対応できず、窮余の策として考え出したのが破格の報酬でした。
「金額的には高いです。この科は高い、この科は低いという医療の中の医師格差を作った訳ではなく、24時間手術ができる環境を目指すための(やむを得ない措置)」(市立泉佐野病院、伊藤 守 副病院長)
医師不足に苦しんでいるのは、泉佐野病院だけではありません。病院の維持が難しい地域も出始めています。
「とにかくドクターが欲しいという要望が非常に大きい。年収5000万円出すから来てくれというような求人さえ来るような」(医師専門人材紹介会社、杉多保昭 社長)
今回、中核病院としての責任を果たすため、高額報酬を打ち出した泉佐野市。しかし市の財政は全国最悪のレベルで、いつまでこの報酬を維持できるのか。依然、綱渡りの病院経営が続きます。(20日18:02)