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「手作り餃子」袋から高濃度の農薬 みやぎ生協回収

2008年02月20日21時45分

 中国・天洋食品製の冷凍ギョーザによる中毒事件で、販売元の日本生活協同組合連合会(日本生協連)は20日、みやぎ生協(仙台市)が昨年10月に回収した「CO・OP 手作り餃子(ギョーザ)」(07年6月3日製造)1袋の包装材から、高濃度の有機リン系農薬成分「ジクロルボス」が検出されたと発表した。また、同じ袋からは、今回の事件で初めて、有機リン系農薬成分の「パラチオン」と「パラチオンメチル」も検出された。

 検出された農薬成分の濃度は、ジクロルボス180ppm▽パラチオン1.6ppm▽パラチオンメチル1.1ppm。食品業界の関係者によると、パラチオンとパラチオンメチルは残留性が高く、今回の濃度は「残留農薬の疑いが強い」という。

 高濃度のジクロルボスは、コープあいづ(福島県喜多方市)が回収した同じ製造日の「手作り餃子」1袋のギョーザの皮(110ppm)からも今月5日に検出された。

 日本生協連によると、今回の1袋は昨年10月31日、みやぎ生協組合員から「焼いて少し食べたら薬品のような味がした」と苦情があり、回収された。輸入元のジェイティフーズは揮発性のにおいがすることから包装材に問題があると判断し、包装材から有機溶剤のトルエンなどを検出したが、農薬検査はしなかった。

 中毒事件の発覚後、生協連が検査機関にあった包装材の残りを農薬検査した。袋を切り刻んで検査したため、内側と外側のどちらに付着していたかはわからないという。

 生協連などによると、パラチオンとパラチオンメチルは殺虫剤として使われた。日本ではともに70年代初めに農薬としての登録が取り消され、毒劇物取締法で研究目的での使用に限られる「特定毒物」となっている。中国でも現在、使用が禁じられている。

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