最近まで何回も刑務所を出たり入ったりしていたナム某氏は35歳。彼は12歳のときに家出して、山奥の巫俗人の家や穴蔵などを転々としながら育った。
肌の色が違うと冷やかす友達を避けて、人のあまり来ない所を探した。在韓米軍と韓国人母の間に生まれた白人系混血児である彼は、差別と冷遇に耐え切れず二度も自殺を試みたりした。
20歳のとき「下山」したが、社会生活に適応することができず、麻薬に手を出したため刑務所に何回も出入りした。ナム氏は最近人気を浴びている白人系ハーフの芸能人であるダニエル・ヘニー(写真)やデニス・オ、金ディエナなどとは違う人生を生きてきた。
一部のハーフの芸能人がテレビドラマや広告によく登場するや、「混血児を見る韓国人の見方が変わった」との話が出ている。
しかし、混血児である裴基普iペ・ギチョル、50)氏は、国家人権委員会のテレビ共益広告に出て住民登録証を見せながら、「私の名前は裴基浮ナす。私は韓国人です。ただ肌の色が違うだけなのに、人々は自分たちと違うと言います」と話す。
数人のハーフの芸能人が若者たちから人気を享受しているが、これはあくまでも芸能人に対する憧れであるだけだ。混血児を見る一般人の視線は依然として良くない。
戦争と分断という韓国人の不幸だった過去史が生んだ既存の混血人だけでなく、最近急増している国際結婚を通じて生まれる混血人に対しても、依然として「異邦人」扱いする雰囲気が強い。
統計庁によれば、韓国人と外国人の結婚件数は、2000年=1万2319件から01年=1万5234件、02年=1万5913件、03年=2万5658件、04年=3万5447件へと毎年急速に増える傾向だ。このうち、フィリピン、ベトナム、タイ、ウズベキスタンなどアジア圏の配偶者との結婚が30%程度を占める。
混血児を見る韓国社会の見方も多分に二重構造だ。白人系混血児に対してはやや好意的だが、他の混血児に対しては否定的な先入観を持っている。
しかし、政府は混血児が何人いるかさえ把握できないほど、混血児政策は事実上全くない実情だ。